YouTube X Instagram

「職人が1人に…」300年続く“阿島傘” 元SEの43歳女性が「危機的状況」知り、5年修業して起業 傘だけで生計立てられず…アルバイトも 「和紙なので雨の音が違う」 魅力伝え「何とか守り、つなげたい」

■伝統に新たな風 オリジナルの傘

水谷さんが作った阿島傘

水谷さんは移住後、中村さんに弟子入り。

5年修業したのち、2024年に「阿島傘 一凛」を起業しました。

こちらの赤い傘は水谷さんが作ったものです。

水谷槙さん:
「稲妻っていうのが、豊穣とか実りとか、そういうのを意味するというのを見て、面白いなと思って」

伝統的な阿島傘は屋号などが書かれたシンプルなものですが、水谷さんは染めた和紙を使ったり、さまざまな模様を入れるなど、オリジナルの阿島傘も制作しています。

水谷槙さん:
「PRですね。阿島傘の知名度があまりなかったので、色とかデザインとか、華やかなものでまず目をひいて、そこから先、知っていただくきっかけにしたいと思って」

■師匠と伝える阿島傘の魅力

阿島傘の制作を実演する中村さん

9月6日、箕輪町で行われた阿島傘のPRイベント。

会場には、水谷さんと師匠の中村さんの姿がありました。

水谷槙さん:
「(中村さんは)師匠」

水谷さんの師匠・中村八代子さん:
「私はそうじゃない(笑)。(水谷さんは)年の若い娘」

水谷槙さん:
「ありがとうございます。第二の母」

中村さんが阿島傘の制作を実演―。

■「傘の重さやにおい感じて」

小さな阿島傘作り

水谷さんは来場者に「小さな阿島傘作り」を教えました。

阿島傘を知ってもらい、魅力を伝えることも職人として大事な仕事です。

参加者:
「(阿島傘が)きれいだった」
「色やデザイン、柄がきれいですてき。(のりを)しゅっしゅっとやったのですが、面白いですね、つくるのが好きなので」

水谷さんの師匠・中村八代子さん:
「水谷さんが来てくれて、残ってくれて、これで阿島傘、残っていくなと思ってうれしい」

水谷槙さん:
「伝統を守る、続けていく。第一に皆さんに知ってもらい良さを感じてもらうことが大事だと思うので、物を作る楽しさを知り、実際に持った傘の重さやにおいを感じてほしい」

■担い手不足…「傘1本で生計を」

注文はホームページで受け付け

伝統工芸の世界で大きな課題となっているのが「担い手不足」です。

その原因ともいえるのが―。

水谷槙さん:
「村の大事な、日本の大事な文化なので、次につないでいけたらとは思っているんですけど、やっぱり職人になり手がいないのは、それで生計が立てられないから」

水谷さんも傘だけで生計を立てるのは難しく、村役場で事務のアルバイトをしています。

水谷槙さん:
「自分が傘1本で、傘職人で生計立てられて、いろいろなことができるんだよということを見せたい」

注文はホームページで受け付け、色やデザインなどのオーダーメイドも可能。

撮影用やイベント用などのレンタルにも対応しています。

水谷槙さん:
「ぜひぜひ使っていただきたい。雨の日に差したり、日傘として使っていただくことで新たな魅力に気づくこともあるかと思うので、実際に使って体験してほしい」

■「何とか守り、つなげたい」

「伝統を守りたい」との思いで取り組んでいる

2024年9月に県の伝統工芸品として指定をうけた阿島傘。

県も技術伝承の動画を公開し、次の世代につなげようと取り組んでいます。

阿島傘 一凛・水谷槙さん:
「ものをつくるというのは、自分の感性をそのまま目に見える形で世界に残せるというもので、すごくわくわくすることなので、そういったことを魅力に感じてもらえれば。傘っていう文化が途絶えたときに、他の日本の文化にも影響が及ぶものなので、なんとか守っていきたい、つなげていきたい」

  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース

最新記事はこちら

こちらもおすすめ

記事一覧へ