YouTube X Instagram

「いただいた命を大切に」夫が捕獲・妻が加工『鹿肉ペットフード』 

長野市松代町の女性が2025年7月から鹿の肉や骨をペットフードに加工して販売しています。夫が狩猟を始めた際に捕獲した鹿の多くが廃棄されていることを知り、有効活用しようと始めました。

長野市松代町の小池さん夫婦の愛犬は、ノーラとモス。

2匹が食べているのは鹿肉ジャーキーと鹿の骨です。

おいしそうに食べる2匹。このペットフードを作っているのは―。

小池真希さん:
「これは前足です。これは割と個体が小さくて小鹿ですね」

妻の真希さん。自ら鹿をさばき加工しています。

2025年7月に会社を立ち上げ販売も始めました。

小池真希さん:
「鹿肉は高たんぱくで低カロリー、アレルギーを持っている犬にもおすすめ」

2人は8年前から家族と愛犬とともに松代で暮らしています。

なぜ、真希さんが鹿からペットフードを作ろうと思ったのでしょうか?

きっかけは松代に来てから政繁さんが始めた狩猟。鳥獣被害防止のため増えすぎた鹿の捕獲は重要となっています。

ただ、県によりますと、県内で「食肉利用」されるのは25%にとどまり、多くは廃棄されているとみられます。

小池真希さん:
「鹿が捨てられて廃棄になってしまうことをそこでリアルに知って、(鹿は)害獣として扱いを受けてきたが、命をいただくことで、恩返しができたらと」

そこで考えたのが政繁さんが捕獲した鹿をペットフードに加工すること。加工の様子を見せてもらいました。

小池真希さん:
「山で捕れたら、その場に私が行って現地の猟師とさばいて、ばらして自宅に持って帰る。肉と骨で分けて、鹿肉は筋肉と筋肉でくっついていて、さばきやすい」

細かく切った肉や骨を網に乗せ、90℃の温風で1日から2日間、乾燥させれば「ジャーキー」の完成です。

また―。

小池真希さん:
「この(胃袋)の中に草が入っていて、これ(胃の内容物)が犬にとってすごく良くて」

「ジビエ」料理ではあまり使わない内臓系や角も加工し、余すことなく使っています。

8年前から始めた加工。最初は政繁さんが捕獲したものを使っていましたが徐々に作る量も増え、今はほかの猟師が捕獲した鹿も使っています。

長野信用金庫が若手創業者に応援金を贈るプロジェクト「しんみせチャレンジ」にも合格し、2025年7月から本格的に販売をスタートしました。

現在、市の内外の約20店舗やインスタグラムで販売しています。

捕獲する夫とペットフードに加工する妻。

小池政繁さん:
「いただいた命を生かすも殺すも捕った側の責任なので、最後まで無駄なく使い切ることがお互い思っていること」

小池真希さん:
「今後は皮を生かした(製品を販売して)鹿がこんなに使えることを知ってほしい」

  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース