
クマの極上スライス肉(200g 3800円)
全国的にクマの出没や被害が報道される中、クマ肉にも注目が集まり、扱っている長野県飯田市の精肉店には問い合わせが増えています。店は「自然との関係について考える機会になれば」としています。
■精肉店に並ぶ「クマ肉」

イノシシやシカなどのジビエ商品も並ぶ
長野県の南端部に位置し、山々に囲まれた飯田市南信濃。創業68年の精肉店「肉のスズキヤ」の店頭には―。
肉のスズキヤ・鈴木理代表:
「シカもあるし、あとクマも。クマ肉を味付けてるんですが、この商品のクマ肉は若い個体」
初心者におすすめの味付き肉や煮込むとうまみが増すという上質な脂のスライス肉など、クマ肉が販売されていました。
地域では昔からイノシシやシカ、クマなどのジビエを食べる文化があり、店でも商品として扱ってきました。
店は、地域の山で猟師がとった動物を受け入れて食肉に加工しています。
■クマ肉は「最高のおもてなし料理」

店に持ち込まれたクマ
取材した11月24日も店には、持ち込まれたイノシシと一緒にクマが置かれていました。
クマは、ジビエの中でも特別な存在で、肉はもちろん内臓は薬として、毛皮は道具として余すことなく大切に使われてきました。
肉のスズキヤ・鈴木理代表:
「いわゆる、最高のおもてなし料理です。肉質もそうだし脂の質もそうだし、おいしさもあるし、もたれない。うちの場合は『山獲り』っといって、山でとってくるクマとかイノシシなので、人里とか街に出てきたものではなく、まるきり別物(として販売)」
■「クマ肉」問い合わせ増加

クマの味付き肉(150g 1700円)
全国的にクマの出没や被害が報道される中、クマ肉も注目され、問い合わせが増えています。
11月24日もクマ肉を買いに来た客がいました。
飯田市内から:
「(クマのニュースで興味を持って?)そうです、そうです。大事にいただきたいと思います」
■クマ目撃相次ぐ「山の管理が重要」

肉のスズキヤ・鈴木理代表
南信濃でも今年は、人里近くでのクマの目撃が相次ぎ、イベントが中止になる影響が出ています。
長く地域の山を見てきた鈴木社長は、現状をどう見ているのでしょうか。
肉のスズキヤ・鈴木理代表:
「クマが増えすぎちゃって、山がクマを養いきれないということ。人の住んでいるところに居つくというのは人への警戒心を持ってないわけですから、悪い学習をしてしまいますよね」

飯田市南信濃
鈴木社長は、人里への出没を減らすには猟に関わる人材の育成や、山の管理が重要だと考えていて、客にも伝えるようにしています。
神奈川から:
「やっぱり山が育んでいるものだからありがたいなって思うし、いい関係性を、食べることによって持てたらいいなって思います」
肉のスズキヤ・鈴木理代表:
「山の恵みとして、こんなに仕上がったクマ肉なんですから食べてみませんかと。そういうことを考えてもらってもいいのでは」

