車ではね山中に遺棄して殺害か　被告「死亡してもやむを得ないと決意したわけではない」起訴内容を一部否認　検察側「男性のいびきを聞いており救命の可能性を認識」　弁護側「男性は助からないと思っていた」

佐藤英伸被告（34）

車ではねた男性を山中に遺棄して殺害したとして殺人などの罪に問われた男の裁判員裁判が10月20日に始まり、被告は起訴内容を一部否認しました。

殺人やひき逃げなどの罪に問われているのは佐久市の佐藤英伸被告（34）です。

起訴状などによりますと、2023年12月、佐久市で車ではねた当時85歳の男性を約30キロ離れた長和町の山林に遺棄して多発性外傷と低体温症で殺害したとされています。

長野地方裁判所で開かれた初公判で佐藤被告は、事故を起こしたことは認めた一方、「死亡してもやむを得ないと決意したわけではない」と起訴内容を一部否認しました。

冒頭陳述で検察側は「被告は男性のいびきを聞いており救命の可能性を認識していた」とし、死亡しても構わないとする「未必の故意」で殺意があったとしました。

これに対し弁護側は、「被告は男性は助からないと思っていて殺人罪までは問えない」「死因も低体温症ではない可能性がある」と主張しました。

判決は10月30日に言い渡されます。