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【戦後80年】戦争遺跡「松代大本営」の歴史を伝える資料館オープン 戦争の記憶の継承 長野市

掘削作業で出た岩クズを運び出したトロッコの模型 松代大本営平和祈念館(長野市松代町) 

戦争の記憶の継承です。2025年は戦後80年。長野市に残る戦争遺跡「松代大本営」の歴史を伝える資料館がこのほどオープンしました。

太平洋戦争末期、本土決戦に向け国の中枢機関を移そうとつくられた長野市の「松代大本営」。最も規模の大きい「象山地下壕」が公開され、2024年度は4万6000人が訪れました。

10月11日、象山地下壕から約600メートル離れた場所に「松代大本営平和祈念館」がオープンしました。

地下壕のガイドや調査をしているNPO法人が賛同者の寄付金などで造ったもので、前身の団体が構想を立ててから40年近くかかった待望の施設です。

NPO法人「松代大本営平和祈念館」・花岡邦明理事長:
「地下壕だけだとやっぱり不十分なので、背景とかそこで働いた方々の様子だとかを伝えていく施設を造りたい」

祈念館では、大本営の全体像を知ってほしいと、3つの山に掘られた地下壕をジオラマで再現。掘削作業で出た岩クズを運んだトロッコの模型や削岩機の先端などを見ることができます。

工事の中心となった朝鮮人労働者やその家族、約2600人分の名簿など貴重な資料も展示しています。

訪れた人:
「こういうので残しておけば後の若い人も『太平洋戦争とは?』という質問に大きくここで答えが出るんじゃないですかね」
「想像を絶する壮絶さが伝わってきたのが一番印象的ですね。戦後80年たって、証言できる方が亡くなっていく中で、祈念館の意義は本当に大きいし、大きな役割を担っていると思う」

80年前の戦争遺跡を今後も伝えていく拠点となることが期待されています。

NPO法人「松代大本営平和祈念館」・花岡邦明理事長:
「どういうことでこの大本営が造られたかというのを見ていってほしい。戦争というものは過去のものじゃなく、現在もあるんですね。そういう背景を学び取るひとつのきっかけになればと期待しています」

祈念館の開館時間は午前10時から午後4時で入館料は大人500円、小学生から高校生300円で、月曜と木曜、および冬期は休館します。

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