
事件現場(2025年10月15日)
長野地方裁判所は10月14日、殺人の罪などに問われた青木政憲被告に死刑を言い渡しました。現場近くの住民からは「当然の判決」「黙秘ではなく、気持ちを伝えてほしかった」などの声が聞かれました。
2023年5月、長野県中野市で女性2人と警察官2人が男にナイフや猟銃で殺害された事件。現場近くに住む青木政憲被告が4人を殺害した罪などに問われ、14日、長野地方裁判所で判決が言い渡されました。
裁判長:
「被告人を死刑に処する」
長野地裁は、被告に完全な責任能力があったとして、死刑を言い渡しました。
14日の死刑判決を受け、住民からは様々な声が聞かれました。
(記者リポート)
「きのう、死刑判決を言い渡された青木被告、現場の近くに住む人はどのように受け止めたのか聞きました」
現場近くに住む人:
「(判決は)当然だったと思った。遺族の方が納得すればいいと思っていた」
4人の尊い命が奪われた事件。住民からも判決に理解を示す声が聞かれました。
一方でー
現場近くに住む人:
「(事件がどうして起きたのか)分からずじまいだよね。遺族にしてみればどうしてあんなことしたんだって(知りたいと思う)」
青木被告は、初公判で「黙秘します」と述べ、その後の被告人質問でも黙秘を貫きました。
なぜ、事件を起こしたのか。自分の口から語らないまま、「死刑」を言い渡されました。
現場近くに住む人:
「(被告は)黙秘ではなく、気持ちを伝えてほしかった。控訴はしてほしくない、受け入れて遺族のことを考えてほしい」
事件の第一通報者で青木被告の犯行を目撃した男性は、NBSの取材に「判決を聞き、極刑でやむなしと思った。一区切りではあるが、被告が何も話さない状態では、被害にあった方々が報われず、すっきりしない」などと話しました。
事件の後、青木被告の両親を支援してきたNPO法人の阿部恭子理事長は―。
阿部さん:
「この事件がなぜ起きて、それを家族や地域の人含め、どうであれば、この事件が防げたかを解明していくには非常に不十分だった」
青木被告の弁護士は、判決を不服として、控訴する意向を示しています。