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妻殺害事件 元長野県議の丸山大輔被告の裁判 あす控訴審判決 一審は「懲役19年」 被告「意外な判決でショック」 控訴審でも「無罪」主張 犯人性の判断は

丸山大輔被告(2022年取材)

妻を殺害した罪に問われている元長野県議の丸山大輔被告の裁判です。一審の長野地裁で懲役19年の実刑判決を言い渡され、控訴審で改めて無罪を主張している丸山被告。10月1日、判決が言い渡されます。

4年前の9月29日に長野県塩尻市の酒蔵兼住宅で女性が首を圧迫され、殺害された事件。

丸山大輔被告(2022年9月):
「一刻も早く手がかりが見つかって解決してほしい。(犯人は)自分から出てきてくれればそれに越したことはない」

発生から約1年後、殺人の疑いで逮捕されたのは、女性の夫で元県議の丸山大輔被告(51)でした。

事件から3年後の2024年10月に長野地裁で開かれた裁判員裁判。

「妻を殺害したのは私ではありません」

丸山被告は、初公判でこのように述べ、無罪を主張しました。

裁判は、被告が犯人であるかどうかの「犯人性」が大きな争点となりました。犯行を裏付ける直接的な証拠がない中、被告の車が映ったとされる防犯カメラの画像など間接的な証拠をもとに4つのテーマに分けて審理は進められました。

検察側は「被告が犯人でないと合理的な説明がつかず、犯人でないことはあり得ない」などとして懲役20年を求刑。

一方、弁護側は「直接的な証拠はなく、被告が犯人であることを証明できていない」などと無罪を主張しました。

長野地裁が言い渡したのは懲役19年の実刑判決。「被告人が犯人であるという認定に合理的な疑いは残らない」としました。

坂井田慧弁護士:
「『意外な判決でショックを受けている』と(本人は)コメントしている」

弁護側は判決の2日後、「事実誤認に基づく判決で到底許容できない」として控訴しました。

それから約半年後の2025年7月に開かれた控訴審の初公判。弁護側は、「一審判決は被告人が犯人であるという仮説を出発点にしており、先入観に基づく判断で、不当」などとして改めて無罪を主張。

一方、検察側は控訴の棄却を求めました。

弁護側は、防犯カメラに映った不審車両に関する県警の報告書など新たに8点の取り調べを請求しましたが、裁判所はこれを却下し、即日結審しました。

刑法に詳しい信州大学の丸橋昌太郎教授は、取り調べを行わずに結審した裁判所の判断について次のように話します。

信州大学 経法学部・丸橋昌太郎教授:
「一審の資料、証拠、記録に基づいて判断すれば(控訴審では)十分と、(一審の)判断過程が正しいかを判断できるとなり、新たな事実の取り調べを要しないとなったのでは。(控訴審は)破棄か棄却だが、法律上は事実の取り調べをしなくても(一審の)有罪を破棄することができるので可能性としては(破棄されることが)ある。ただ、かなりレアなケース。裁判員が入っている裁判を控訴審が覆すには相当慎重にならなければならず、かなり慎重に検討されていると思う」

注目の判決は、10月1日言い渡されます。

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長野放送ニュース

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