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先天性の関節や骨の疾患を抱え…痛みと闘い創作を続ける画家・カミジョウミカさん30年の歩み「痛みがフワッて消える時がある。絵を描いていると集中して」

入院中に描いた看護師や医療スタッフの似顔絵

カミジョウさんの原点がこちら。

カミジョウミカさん:
「これ、全部入院中に描いた作品で」

寝たきりで入院中、退屈しのぎに描いた看護師「古村さん」や医療スタッフの似顔絵。

カミジョウミカさん:
「妄想するのが昔から好きだったので、こういうふうに(デフォルメして)描いたらきっと面白いんじゃないかなと。すごく楽しんでもらえたので、それがあったからこそ今がある」

作品「バク」(2001年)

こちらは20代前半に描いた「バク」。頭には、ユニークな夢の世界が詰まっています。

カミジョウさん:
「眠っている時に見る夢を自分の中で記憶して、面白いものはメモしたり、お化けのようなキャラクター性の強いものがいっぱい出てきますね」

この30年、自身の夢の世界をカラフルな色を使って緻密に、時に大胆に表現してきました。

作品「満月があちこちへ飛んでく」(2015年)

30代になると、立体的な作品にも挑戦。腸内細菌を表現した作品は、色を付けた綿をまるめビニールシートで覆っています。

こちらの作品、満月の凹凸はティッシュペーパーを使いました。

カミジョウミカさん:
「眠っているときの夢に近づけるっていうのもありますし、デフォルメから始まっている創作活動の熱が凹凸になって広がりをみせた」


作品「信州サーモンのぼり」

表現力は、常に進化しています。

会場でひときわ目を引くのが、大きな「鯉のぼり」ならぬ「信州サーモンのぼり」。2024年、地元の国営アルプスあづみの公園の依頼でデザインし、大空を泳ぎました。

カミジョウミカさん:
「見てくださった方々がウキウキするような、楽しい気分になっていただけたら」

見る人を魅了し、豊かな気持ちにさせるカミジョウさんの作品。自身にとっても、創作活動は生きる源です。

作品「多様性な細胞」(2025年8月)

8月完成したばかりの最新作「多様性な細胞」。

カミジョウミカさん:
「たくさんの目を描いたんですけど、人の目が一番多様性を邪魔しているし、(自分は)車椅子に乗っているだけで目立ってしまうので、視線というのが今後、多様性が広がる中で感じなくなればいいなと」

画家・カミジョウミカさん

最近は病気の進行で、痛みが増し、動きも制限されていますが、創作への意欲はとどまることがありません。

画家・カミジョウミカさん:
「海外や他の地域で展示してもらえるように、がんばっていきたいなと。できるだけ、細く長く絵を描き続けられたらいいな」

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