■孤立集落で支え合った10日間の避難生活

ヘリコプターで拠点の小学校に届いた支援物資
小谷村は小さな集落が点在しています。避難所への支援物資は拠点の小学校へ、ヘリコプターで届き、そこから各避難所まで住民が歩いて運んだといいます。
10日間の避難を経験・今井頌治さん:
「山の中を(土砂崩れを)開いた道を代わる代わる、物資を背負いながら公民館へ。おにぎりを作ってみんなで2個ずつ。2個しか食べちゃいけない、みんなでしのいだ」
■教訓を未来へつなぐ 小谷村の地域の防災力

避難所の様子(提供:小谷村)
シンポジウムを主催した、信州大学の広内教授は、住民が助け合う、地域の結びつきが人的被害ゼロをもたらしたと指摘しました。
信州大学防災教育研究センター・広内大助教授:
「お互い普段から声を掛け合って何かあったら一緒に逃げようとか、同行しようとか、自然と芽ばえていたと思う。現在のコミュニティーで不足しているのはそういうところ。同じことが今、町の中でできるかというと難しい。そういったところが地域の防災力の強さに結びついている一つの要素」

シンポジウム(7月11日)
シンポジウムでは、村の小中学生も防災学習の成果を披露し、住民から直接聞き取った災害の記憶を伝えました。
小谷小4年生:
「小谷村のすごいところは、人と人のつながりが強いこと。消防団に入っていない人も救助に参加したそうです」
村と信州大学では、30年前の豪雨災害を風化させないために、当時の写真や村民へのインタビューをデジタルアーカイブとして残していくことにしています。