
イネ
石破首相は8月5日、コメについて事実上の減反を見直し、「増産にかじを切る」と表明しました。長野県内の生産者は、方針に理解を示しつつ、人手不足など課題は多いとしています。
石破首相:
「『コメを作るな』ではなく、生産性向上に取り組む農業者が増産に前向きに取り組める支援に転換する」
8月5日、官邸で開かれたコメの安定供給に関する関係閣僚会議では、農水省のコメの需要見通しと実際の需要にかい離があったことなどが価格の高騰を招いたとの分析が示されました。
その上で、石破首相は、「コメの増産に舵を切る」と表明しました。
これまで続けてきた事実上の減反にあたる生産調整を見直すことになります。
白馬農場・津滝俊幸会長:
「(増産は)賛成。やる気のある農業者に対してははバックアップしていくんだと。それはそれで非常に生産意欲が出てくるところはある」
増産への転換に理解を示したのは白馬村の農業法人「白馬農場」の津滝俊幸会長(67)です。
約70ヘクタールの水田で、コシヒカリやあきたこまちなどを栽培し、県内外に出荷しています。
国が増産を後押ししてくれることで、生産意欲の向上につながるとしています。
一方で、昨今の人手不足や生産コストの上昇、用地の問題などもあり、課題は多いと言います。
津滝さん:
「(コメの)量はなかなか増えないんじゃないか。その要因としては、農家の数は現状増えていないし、減っている方向。大豆・ソバ・野菜とか(の畑)を、即、コメに転換できるかって、すぐには転換できない」
政府は、来年度の予算にコメの増産にむけた政策を反映させる方針です。
津滝さんは、農家が安定してコメの生産ができる環境づくりを進めてほしいとしています。
津滝さん:
「助成金を付けていただいて、効率の良い機械をどなたでも使えるような形にしていくことも大事。農業をやるための農業インフラをしっかりつくってもらわないといけない」