
4歳で被爆 今井和子さん(84)
広島に原爆が投下されて8月6日で80年。被爆者の高齢化などで記憶と教訓の継承が課題となっています。長野市では4歳で被爆した女性が自らの体験を語り、「過ちを繰り返さないことが犠牲者の慰霊になる」などと訴えました。
広島市で行われた平和記念式典。80回目の「原爆の日」を迎え、平和の祈りに包まれました。
長野市でも「原水爆禁止県協議会」が開いた集会で原爆投下時刻の8時15分に黙とうが捧げられました。
今井和子さん:
「その日の朝、別れたままの祖父、55歳のままの笑顔を思い出す。それが私の8時15分です」
集会に参加した長野市の今井和子さん84歳。80年前の8月6日、爆心地から2キロ離れた自宅で被爆しました。
今井和子さん:
「8時15分にピカッと、ものすごい閃光でした。下からドンと突き上げるような爆音、何かが音を立てて吹き飛んでいく暴風の中に座っているようでした」
「核兵器を使うとどうなるのか、ということを反省を持って受け止めて、『過ちを繰り返しません』という8月6日であってほしいと切に思います。これが本当の犠牲者への慰霊であると」
父・良明さんが被爆した「被爆2世」の前座明司さん(77)は2024年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の声明を読み上げました。
被爆2世・前座明司さん:
「私たちは、核兵器が人類とは共存できないことを、命ある限り訴えてまいります」
広島への原爆投下から80年。被爆者の平均年齢は86歳を超え、体験を直接聞くことが難しくなってきています。記憶や教訓の継承が課題です。
被爆2世・前座明司さん:
「『きょうの聞き手はあすの語り手』という言葉を父はよく使っていた。いろんな場面で平和について考えていただきたい」
4歳で被爆・今井和子さん(84):
「映像とか、いろんな方法がありますけど、その(被爆者の)気持ちを受け止めてほしい。家族が崩壊してしまう、人の気持ちが崩れてしまう。そういったことが起こるのだと一番大切なことを知ってほしい。過去を知らないと、未来も描かれない」