
白馬村
相続税などの基準となる土地の価格「路線価」が公表されました。長野県内の平均価格は2年連続で上昇し、インバウンドで人気の白馬村は、2024年に続き、上昇率で全国トップでした。
「路線価」は、主な道路に面した土地の評価額で、「相続税」や「贈与税」の基準となります。
関東信越国税局によりますと、県内約5100の調査地点の平均は2024年、32年ぶりに上昇に転じ、2025年も0.6%上がりました。
もっとも高かったのは、「長野駅前通り」で、1平方メートルあたり29万5000円で2024年を1万円上回りました。
次いで、軽井沢町の「旧軽銀座通り」が2万円上がって28万円。松本駅前の「しらかば大通り」は20万5000円。上田駅前の「お城口広場」は11万5000円で、ともに横ばいでした。
上昇率で目立ったのが、白馬村です。「村道和田野線」は、1平方メートルあたり3万7000円から4万9000円と1万2000円上がりました。上昇率は32.4%で2年連続で全国トップとなりました。
周辺ではインバウンド需要を背景に、ホテルの建設など活発な開発が続いています。
奥原不動産鑑定・奥原清 不動産鑑定士:
「一番最初に火が付いたのは北海道のニセコ。ニセコの地価がすごく上がり『第二のニセコ』として白馬に目を向けられて、ここ数年は国内外の企業・富裕層、豪州だけでなく中東の資本も入ってきて投資が過熱している」
1998年の長野オリンピック後の低迷から一転し、地価の高騰は今後も続くとみられますが、住宅の確保など住み続ける上での課題も浮き彫りになっています。
奥原不動産鑑定・奥原清 不動産鑑定士:
「ペンション経営者などに聞くと、収益性は上がって歓迎する一方、暮らしづらい、食事の場所がなくなってしまった。白馬村はもともと賃貸住宅の供給が少なく、さらに少なくなっているという実情も」
同じように海外から多くの観光客が訪れながら、大きく下落したのが木曽エリアです。木曽税務署管内で最も高い木曽町福島の「本町通り」はマイナス4.2%と全国で最も大きい下落率となりました。
奥原不動産鑑定・奥原清 不動産鑑定士:
「中山道を歩いて、お土産買ってアイスを食べて、電車に乗って松本に来ちゃうとか、通過型のインバウンドになっていて、(観光客が)長期滞在で金を落とさず地域経済が活性化していない。良い所はどんどん強くなって、地価はどんどん二極化されていくんじゃないか」