■最も効果的なのは「自主返納」だが…

長野県内高齢者(65歳~)の運転免許証保持者(2025年1月の人口から県警が計算)
最も効果的な対策はやはり「免許証の自主返納」です。
自主返納の現状は―。
県警によりますと、2024年12月末時点で高齢者(65歳以上)の運転免許証保有者数はおよそ46万人。高齢者全体の7割です。
一方、2024年、免許を自主返納した高齢者は約7000人、1.5%程度にとどまっています。全国平均の2%を下回っています。
■「手放せない」地方では交通の便が

91歳の男性が運転する車が駐車場から出る際に向かいの店舗の壁に衝突(6月17日)
山間部の多い長野県。交通の便もあまり良くなく車を手放せないという人が多いとみられます。
警察官:
「高齢者の方の事故が増えておりますので、運転する際は気をつけて」
6月19日に長野市のスーパーで行われた警察の啓発活動。
このスーパーでも17日に91歳の男性が運転する車が駐車場から出る際に向かいの店舗の壁に衝突する事故が発生。助手席の84歳の妻が死亡しました。
警察は高齢ドライバーに対し慎重な運転、運転支援機能のついたサポカーの乗り換え、そして「運転免許証の自主返納」の検討も呼びかけました。
■積極的に免許返納を呼びかけづらい

99歳男性が運転していた車
男性(89):
「車がないと不便だね。車がないと仕事にならない、山の上にいるので。出しても40km/hくらいでずっと走って、無理しないで」
こちらの91歳の男性も―。
91歳男性:
「(車の運転は)買い物とかね、うちの母ちゃんが寝たきりだから、病院に連れて行ったり。息子には言われている。あまり人を乗せちゃいけないよと。来年まで免許(の期限が)ある。(返納するか)どうしようかと」
中央道を逆走した99歳の男性も息子から免許を返納するよう促されても、これまで受け入れなかったということです。
99歳男性の息子:
「この辺の人は車はすぐそこに行くのにも使うみたいな感じ。(運転を)もうやめろとは更新の前から言っていた。恐れていたことが起こったというか。(事故受け)免許返納も認めさせたし廃車も認めさせた」
ある県警の担当者も「地域の特性もあり長野県では積極的に免許の返納を呼びかけづらい」と話しています。