
「トーフラーメン」
思い出の味です。長野県山ノ内町・渋温泉で40年に渡って愛されてきた名物ラーメン。女性店主が亡くなった後も、命日に合わせ地元の旅館関係者などが一日限定で復活させていて、今年も多くのファンで賑わいました。
ひき肉に豆腐をたっぷり。ラージャンで炒め、麺の上にかける「トーフラーメン」の完成です。ピリ辛のあんが麺と豆腐に絡みます。
客:
「おいしいです!」
山ノ内町・渋温泉の旅館で開かれたのは、かつて地元住民に愛された店「米龍」を1日限定で復活させるイベントです。
「米龍」は温泉街の一角で、「米ちゃん」、こと店主の浦野米子さんが切り盛りしてきた店。看板メニューの「トーフラーメン」と米ちゃんの人柄で、40年に渡り親しまれてきましたが、2016年に体調を崩し閉店。2016年6月、90歳で亡くなりました。
トーフラーメンをもう一度食べたい。
常連客だった地元の旅館関係者などが中心になって、ラーメンを再現。翌年から、命日に合わせ6月に1日限定の「復活イベント」を開いてきました。
そして、6月19日もあの味を楽しみに開店前から行列が。
常連だった地元住民:
「いいおばちゃんだったですよね。若い頃はそこでトーフラーメン食べて家に帰るっていう、それが習慣で」
渋温泉旅館組合・山田和由さん:
「開店です」
開店と同時に満席に。
常連客:
「相変わらずうまいね。(味が)近づいてきてるって感じするよね」
常連客:
「辛いの得意じゃないけど(辛みそ)このくらいにしておこうかな」
食べながら、辛さを足していくのも昔と変わりません。
常連客:
「うまい、辛いけどうまい。懐かしいです」
イベントは今回で6回目。新たなファンもできています。
イベントで3回目の来店:
「昔、こういう店あったよって聞いていたので今、食べられるのはいいですよね」
かつて「米ちゃん」と厨房に立った義理の妹・浦野友恵さん(93)も訪れました。
店で働いていた米子さんの義妹・浦野友恵さん:
「おばちゃんも喜んでると思うね。この暑いのにありがたいですね」
トーフラーメンも味わいました。
「おいしい。昔と変わらない」
渋温泉旅館組合・山田和由さん:
「トーフラーメンも、もちろん特別なものでしたけど、酔っ払いの言うことニコニコして聞いてくれて、(米子さんの)人柄が、やはり来てくださる要因なんじゃないかな」
多くの人に愛されたトーフラーメンの復活。イベントは19日夜9時まで開かれています。