
小学校の「水泳の授業」をスポーツクラブに外部委託
長野県塩尻市の小学校で「水泳の授業」をスポーツクラブに外部委託する取り組みが始まりました。教員の「働き方改革」の一環で、長時間勤務の是正などにつなげる狙いです。
元気いっぱいにプールで泳ぐ塩尻市の洗馬小学校の児童たち。2025年初めての水泳の授業ですが、泳いでいるのは学校のプールではありません。
ここは、市内にある複合運動施設の屋内プールです。
施設の指導員:
「腕の中にしっかり頭をしまう」
泳ぎを教えているのは、学校の先生ではなく施設の指導員。水泳の授業の「外部委託」です。教育現場が抱えるある課題を背景に、市の教育委員会が実証実験として始めました。
塩尻市学校教育課児童生徒支援係・岩垂寛樹主任:
「先生の残業時間が多いというのがあり、『学校の働き方改革』の一環で、水泳を委託することによるメリットが大きいのではないかと」
市教委によりますと、外部委託によって、プールの清掃や水質・水温の管理などに費やす時間が削減できるということです。
また、屋内プールのため天候に左右されずに授業ができ、児童たちも専門的な指導を受けられるというメリットもあります。
児童:
「楽しかった。コーチもやさしく教えてくれるから」
「(学校のプールとどちらがいい?)こっちのプールの方がいい。こっちの方がきれいだから」
教員:
「一番はプールの管理が大変で毎日、薬入れたり、水温を測ったりとか、そういうのが負担だったから(授業を)すぐに始められてありがたい」
「専門家の方がやってくれるので、自分たちならビートバンの持ち方とか、細かいところまで(指導が)できないのでありがたい」
授業を受け入れる施設側もメリットがあると言います。
ヘルスパ塩尻・百瀬正揮 施設長代行:
「水泳の授業は夏の間だけだが、ヘルスパ塩尻のプールは一年中やっているので、普段の水泳教室に入会する子どもが増えたらいいなと」
水泳の授業の外部委託は、学校のプールに指導者を招く形も含め、長野市や松本市などの小中学校141校で行われています。
塩尻市教委は、2025年度の状況を見ながら、他の学校にも広げていきたいとしています。