■「めちゃんこ多い」惜しむ声に応えて

試食する佐々木さん
閉店から3週間余り。再び「たい焼き」を作る佐々木さんの姿がー。
佐々木さん:
「本当に久しぶりだよね。なんとなくね、仕事の戦闘モードに入るというか」
移転して再出発することを決めたのです。
オープンを翌日に控えたこの日は新しい厨房で焼き具合の最終チェック。
佐々木一さん:
「うん、こんなもんだね」
店は変わりましたが、焼き具合も味も変わりません。
再出発を決めたのは、なじみの客たちからの声です。
味匠庵 店主・佐々木一さん:
「私も年だからそろそろ引退でもいいかなと思ったんですけど、お客さんがとにかく『ぜひやってくれ』という声が多かったんですよね。めちゃんこ多いんですよね、毎日毎日。だんだんと気持ちが、やってみようか、と変わった」
■新店の近所にあいさつ回り

あいさつ回り
新しい店舗は、これまでの客も訪れやすいように「ながの東急ライフ」から直線で約600メートルの場所。弁当店だった建物を改装しました。
佐々木さん:
「こんにちはー」
新たな客の開拓もしようとこの日は焼き立てのたい焼きを持って近所へのあいさつ回りも。
近所の人:
「楽しみにしてたんですよ」
佐々木さん:
「あしたオープンしますので、よろしくお願いします」
味匠庵 店主・佐々木一さん:
「お客さんが喜んで、また来てくれればそれに越したことはないので、あしたがちょっと不安だけど楽しみな部分もあります」
■「早く食べたい」オープン前に行列

オープン
迎えた移転オープン当日。
「ながの東急ライフ」時代のテナント仲間からお祝いの花も贈られました。
佐々木さんの不安をよそに、オープン10分前には行列ができていました。
先頭で並んだ男の子(8):
「今まで食べられなかったからよかった。早く食べたいな」

先頭で並んだ親子
午前10時開店。
佐々木さん:
「時間ですので開店します、本日は早朝よりお並びいただきありがとうございます」
先頭で並んだ市内の親子はながの東急ライフの最終日も訪れたファンです。
早速、頬張ります
先頭で並んだ男の子(8):
「おいしい、いつも通り」
母親:
「ああ、おいしい、変わらないね」
男の子:
「うれしい。この後も(通って)食べる」
母親:
「通おうね」
母親:
「いつもそばにある、おいしいたい焼き。なくなっちゃうと思ったときは寂しくてしょうがなかったですけど、ずっと続くって思ったので待ってました、この日を。家族で通いたいと思います」
■店主「ずーっとこのまま続けたい」

たい焼き
佐々木さんも大忙し。
価格も変わらず1個150円。
味匠庵 店主・佐々木一さん:
「すごいですよね、お客さんが、こんだけ来るとは思わなかった」
なじみの客も、新たな客も来店し、初日は700個以上が売れました。

味匠庵 店主・佐々木一さん
佐々木さんの心にも再び火が灯ったようです。
味匠庵 店主・佐々木一さん:
「これからいろいろ品物を変えてみたり、違う商品を開拓してみたりいろいろやっていかないと続かないので、ずーっとこのまま続けていきたい」
閉店を惜しむ声を受け移転して再出発した店。佐々木さんは体力が続く限り「たい焼き」を作り続けます。