
再出発した「味匠庵」のたい焼き(1個150円)
特集は「なじみの味」の“復活”です。3月末で閉店した「ながの東急ライフ」で約30年営業してきた「たい焼き店」が、移転オープンしました。一度は店を閉じようとした76歳の店主。後押ししたのは「復活してほしい」という多くの市民の声でした。
■たい焼き店が移転オープン

味匠庵 店主・佐々木一さん
こんがりと焼き上がった「たい焼き」。サクサクの生地の中には、たっぷりのあんこやカスタードクリームが入っています。
子ども:
「おいしい」
長野市中越に4月26日にオープンした「味匠庵」です。
初日は開店と同時に多くの客が訪れ、店主の佐々木一さん(76)も大忙し。
味匠庵 店主・佐々木一さん:
「やっときょう自分の店が始まるんだって思いだよね、少し不安があったんだけど、どこかに飛んでったよね。ホッとしました」

開店と同時に多くの客
客:
「こしあんとクリーム3個ずつ」
訪れた客は―。
市内から:
「生地もパリパリサクサクしていて、(昔)一回食べてファンになりました。待ってました、ずっと」
「待っていた」という客。店は移転して「再出発」したのです。
■30年「ながの東急ライフ」内で営業

「ながの東急ライフ」での営業最終日(2025年3月31日)
「味匠庵」は3月末で閉店した長野市の大型商業施設「ながの東急ライフ」で営業してきました。
出店したのは、今から約30年前。ピークの2000年代には一日600個ほどたい焼きを売り、地域住民から愛されてきました。
ただ、佐々木さんも76歳。年齢などを考え、「ながの東急ライフ」とともに店を閉じようと考えていました。
営業最終日には、別れを惜しんで多くの人が訪れました。

中野市から訪れた親子(東急ライフでの営業最終日)
中野市から(母親):
「おいしいね」
娘:
「パンケーキはさんでいるクリームみたいな味がした」
中野市から(母親):
「当たり前のことが当たり前でなくなっちゃうというのは寂しいことだけど、最後に自分の思い出の味を子どもたちと一緒に食べられてすごくうれしい」
味匠庵 店主・佐々木一さん(3月31日):
「何とも言えない、この寂しさは。人と人のつながりがたくさんあった、お客さん含めて。ありがとうございます。本当に感謝だけです」