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創業122年の温泉旅館が生まれ変わる インバウンド客の増加を見込み「和」の趣 団体客から個人客・中小規模へ「客層の変化」に合わせリニューアル

「荻原館」ロビーの「やたら編み」の壁掛け作品

生まれ変わった老舗旅館です。長野県千曲市の戸倉上山田温泉の「荻原館」が「和」の趣をコンセプトに改装しました。インバウンド客が増加する中、新たな客層を取り込もうとしています。

新緑を楽しめる露天風呂に、大正時代から掲げられている看板。

戸倉上山田温泉にある創業122年の温泉旅館「荻原館」です。

そのロビーに4月から飾られたのが、太さや長さが異なる竹ひごを不規則に編み込んだ伝統工芸「やたら編み」の壁掛け作品です。

荻原館 女将・荻原祥子さん:
「インバウンドのお客さまが多分、これから増えてくるという期待も込めまして、今回、竹を使った『やたら編み』を考えた」

旅館はこの春「和」の趣をコンセプトにロビーや建物の外観を改装しリニューアルオープンしました。

明治36(1903)年、上山田温泉開湯前日に創業した荻原館。上山田温泉の「第1号の旅館」ともいわれています。

昭和50年代には年間130万人前後が訪れた温泉街。荻原館も多くの客でにぎわいました。

常連客:
「女将のおもてなしがいいのが一番。良いと思います、木造で昔の風情が」

今も年間1万人ほどを受け入れていますが、ピークからは減少しています。女将の荻原祥子さんは「客層の変化」を感じています。

荻原館 女将・荻原祥子さん:
「団体の客が多い時代があって、それを経て個人客・中小規模の客に移り変わってきていて、その変化に合わせての改築だった」

さらに近年のインバウンド客の増加。そこで、「客層の変化」に合わせたリニューアルを考えました。

団体客が食事で使っていた大広間は区切って個室に。家族連れなど少人数の客がプライベートな空間でゆっくりと食事ができるようにしました。

冒頭で紹介したロビーの「やたら編み」の作品はインバウンド客を意識しています。
120年を超える旅館の伝統も生かした演出です。

荻原館 女将・荻原祥子さん:
「うちも伝統を引き継いで頑張っていきたいという思いと重なると思って、『やたら編み』をこちらに飾っていただきました。日本の伝統文化というものが世界に広がっていったらいいなと思う」

客:
「日本の心とわびさびがあって、旅館入った瞬間に、日本で落ち着くなっていう感じがします」

伝統を残しつつも、時代の流れに合わせて変化させていく。

老舗旅館はこれからも客の満足度を高めるために挑戦していきます。

荻原館 女将・荻原祥子さん:
「商いですので、飽きさせないようにお料理でも見た目もそうですし、何か変えられるものがあればどんどん挑戦していければと思っている」

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長野放送ニュース

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