原点らーめん
30年以上、地元の高校生などに愛されてきた長野県伊那市のラーメン店。2024年、店主が亡くなりアルバイトをしてきた男性が引き継ぎましたが、物価高の影響などで5月店を閉じることになりました。別れを惜しみ多くの客が訪れています。
次々と作られていくラーメンや油そば。
客：
「懐かしい味がしますね、おいしいです」
ここは、JR伊那市駅近くにある「らーめん屋原点」。地元の高校生らに長く愛されてきました。
看板商品の「原点らーめん」と「油そば」は食べ応えのある極太麺にたっぷりの野菜が特徴です。
市内の高校2年（サッカー部）：
「午前中に部活をして、帰りに原点に食べに来ました」
「麺が太くて、コシがあり、味も濃くて、部活後に食べられてすごくおいしかったです」
長年、高校生の胃袋をつかんできた「原点」。しかし、5月に閉店することが決まっています。
「原点」は1993年店主の酒井孝志さんと妻・なみよさんが始めました。その味と2人の人柄で人気店となりました。
しかし、2024年5月、孝志さんが病気で亡くなりました。その後、妻・なみよさんも2024年12月に体調を崩し働くことができなくなりました。
現在、店を切り盛りするのは河内祐貴さん（27）。酒井さんと近所だった縁で高校生の時にアルバイトをしていました。専門学校に進み3年ほど伊那を離れましたが、地元に戻ってからは再び店を支えて来ました。
店主の酒井孝志さんが亡くなり、妻・なみよさんも働けなくなってからは店を引き継ぎ1人で厨房に立っています。
らーめん屋 原点 店主・河内祐貴さん（27）：
「急に閉めると、お客さんもそうだし、僕もこの店は好きなので、それが寂しいかなと思ったので、できるだけ長くできるようにと引き継いだという感じ」
店の味を絶やしたくないと奮闘して来ました。
しかし、コロナ禍で減少した客が戻り切らず、さらに近年の物価高が追い打ちをかけ。
らーめん屋 原点 店主・河内祐貴さん（27）：
「1人になるタイミングから考えてはいたんですけど、（食材の）原価が高いのと、ガスとかもそうですし、いろいろなタイミングが合い、やめることにしました」
大型連休最終日の5月6日で店を閉じます。
とんこつやとりがらから出汁をとるスープ、特注の極太麺のゆで時間、酒井さんの頃からの作り方を引き継いでいます。
閉店を決めてからは昔からのファンも詰めかけています。
市内から（40代）：
「おいしいです、久々に食べたんですけど、変わらずおいしいです」
「10年以上ぶりです、友達から（店が）なくなると聞いて久々に来てみました」
らーめん屋 原点 店主・河内祐貴さん（27）：
「（酒井さんを）一番近くで見ていたのは僕なので、あのままの味、あのままに近い味を最後に皆さんに食べていただけたらなと思います」
閉店する日まで「原点」の味を守り続けます。
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