「チームに入れてくれてありがとう」

学会のシンポジウムで講演
11月、松本市で開かれた日本新生児成育医学会。講演を依頼された由理絵さんは「早産児の母」としての経験を医療従事者に伝えました。
高橋由里絵さん(講演):
「生きるか死ぬかの厳しい状況で、いくつもの山を乗り越えてきました。家族には何もできないと思っていましたけど、医療者に全てを任せるのではなく、家族にもできることが必ずあります。ファミリーセンタードケアの環境があったから、ういちゃんと向き合えたし、愛情を持てたし、命がつながっているというふうに思ってます。家族をチームに入れてくださり、ありがとうございます」
医療機関が個々の家族と向きあう必要があるファミリーセンタードケア。導入にはスタッフの意識改革や場所の確保など、様々な課題があります。
神奈川県の看護師:
「家族の声をストレートで聞く機会って少ないので、本当はこう思ってるんだなっていう発見がたくさんありました」
東京都の看護師:
「この場にいていいと思える、歓迎してもらえているという環境や雰囲気を作ってもらえたと仰っていたので、自分もそういう雰囲気を作っていけたら」
シンポジウムの座長 県立こども病院・糸島亮医師:
「そういう関わりをしてみようと、あれ(由里絵さんの講演)を聞いたら、医療者はみんな思うのでは。明日からでもできることなんですよ。そういった意味ですごくよかったと思うし、皆さんに響いたと思います」

高橋さん一家(家族提供)
小さく生まれた赤ちゃんと一緒に、家族も「成長」―。
これも「ファミリーセンタードケア」の効果と言えます。
母・由里絵さん:
「せっかくだからっていうのも変ですけど、医療的ケア児の吟糸の育児を、楽しめたらいいなっていうのはあります。(吟糸は)まだ小さいから、ここの記憶がどれだけ今後、残るかわからないですけど、少しでも楽しい時間が、記憶として残ったらいいな」