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お盆の菓子「うずまきかりんとう」 県内では長野市篠ノ井だけで食べられる謎の「お盆の味」 調べてみると北海道、岩手でも

うずまきかりんとう

お盆のお菓子です。長野市篠ノ井周辺では昔からこの時期に「うずまきかりんとう」が食べられてきました。なぜ渦巻?なぜ篠ノ井?謎の「お盆の味」に迫ってみました。

■産直でこの時期よく売れるお菓子

農産物直売所「たんぽぽ」

長野市篠ノ井の農産物直売所「たんぽぽ」。新鮮な野菜だけでなく地元の女性たちが作る「おやき」が人気です。おやきの他に、この時期よく売れる商品があります。

うずまきかりんとう「犬石物語」150グラム300円

それは「うずまきかりんとう」。名前の通り渦を巻いたかりんとうです。

東京から帰省して購入した女性(40):
「なつかしい感じの味です」

地元の住民(85):
いま一年中食べてるけど、昔はお盆にだけやったんだよね」

たんぽぽ小池峰子会長:
「(迎え盆の)13日は私たち子供のころは、天ぷらを山のように揚げて、そのあと仏さん用のお菓子を作ったと」

■生地を切った時点は渦巻きは見えず

生地を切った時点ではまだ渦巻き模様は見えない

作り方は基本的に「かりんとう」と同じですが、蜜はからめません。渦巻き模様は砂糖を混ぜた小麦粉、ごまと塩をまぜた小麦粉の2種類の生地で作ります。薄く伸ばしてから生地を合わせて、丸め、冷やした後、1センチほどの厚さに切ります。

従業員:
「砂糖の部分が焦げると茶色になるという。ごまは白っぽくなって、砂糖の部分だけ茶色になるのでうずに見える」

■揚げると渦巻き模様が

揚げると渦巻き模様が浮かび上がる

じっくり揚げると、うずまき模様が浮かび上がりました。

記者:
「出来立てをいただきたいと思います。サクサクですね。素朴な甘さで。かりんとうというよりクッキーに近いような食感です」

■県内では長野市篠ノ井だけ

なぜ渦巻き?

「たんぽぽ」やJAによりますと「うずまきかりんとう」をお盆に食べる風習があるのは長野県内では「長野市の篠ノ井周辺だけ」と言います。なぜ渦巻?なぜお盆に?なぜ篠ノ井周辺?

たんぽぽ小池峰子会長:
「良く分からない」

食文化に詳しい長野県立大学の中沢弥子教授に聞いても「分からない」ということでした。

■他の食べられる地域でも謎は解けず

「うずまきかりんとう」が食べられている地域

調べると北海道や岩手でも昔から食べられていることがわかりました。

岩手の菓子店に聞くと―

岩手の菓子店:
「昔から渦巻は縁起が良いと聞いているが、なぜ作るようになったかは分からない。うずまきかりんとうを生み出した菓子職人が全国を回って作り方を教えたのではないか」

たんぽぽ 小池峰子会長

結局、謎は解けませんでした。風習とはなっているものの、最近は自宅で作る人が少なくなってきているということです。

30年ほど前から販売している「たんぽぽ」は食文化として後世に残そうと今後も作り続けることにしています。

たんぽぽ小池峰子会長:
「これを機会にお盆にはこういうものをお供えして、みんなで祖先を思い出すとか。おいしいとかさ、家族の話題になればいいんじゃないか」

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