
嫌いだった御嶽山 初めて登頂
次男・松井直人さん(30):
「父親が最後に…いたところに来られて良かったかなと思います」
三男・登輝也さん(27):
「高校2年生だったけど、その時にはこの山がすごく嫌いだった。父を近くに感じられるところに足を運べたのがすごくよかったなと。もっと一緒にいたかったなって…」
息子を失った82歳の男性も参加

荒井寿雄さん(82)
東御市の荒井寿雄さん(82)。
息子の真友さん(享年41)を亡くしました。

息子の真友さん(享年41)
荒井寿雄さん(82):
「10年ね…早いような遅いような、私は死んだような感じでした。もう10年ボーっとして、本当は忘れればいいんだろうけど、それを忘れることができなくて。お父さん、頑張って来たよって。多少でも喜んでくれるかなっていう気持ちです」
遅れて登頂 捧げた祈りとウイスキー

山頂で供養のお経
午後0時45分、堀口さん夫婦が遅れて剣ヶ峰に到着しました。
堀口純一さん(77):
「南無妙法蓮華経」
寺の住職でもある堀口さん。供養のお経を唱えました。

英樹さんが好きだったウイスキーを…
そして英樹さんが亡くなったとみられる場所に向かって英樹さんが好きだったウイスキーを捧げました。
堀口純一さん(77):
「この辺だな」
あの日、最後に撮影された写真。英樹さんが立っていた場所に2人で立ちました。
堀口純一さん(77):
「頭の中に息子のことばかりあって離れない。この10年たって半分くらい胸の中に落ちてきたけど、余計に寂しくて悲しい。ひょっとすれば帰ってくるのではと、無意識にそんな気持ちに。親としては供養してやるしかない」
妻・寛子さん(75):
「37で亡くなった英樹しか私の中にないので、もう少し生きて、いろんな所に連れてって、ここにも生きて連れてきてくれたらよかったのにと怒りたいくらい」
高齢化進むも慰霊登山は継続へ

堀口さん夫婦は来年も登山する予定
噴火災害からまもなく10年。「山びこの会」はメンバーの高齢化も考慮し、今年で慰霊登山に区切りをつける方針でしたが、続けてほしいという声を受け、来年以降も実施することにしています。
堀口さん夫婦も。
堀口純一さん(77):
「毎年1回は供養のために登りたい。ここは最後まで生きた証しのところですから」