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余命わずかの母…自宅で共に過ごした時間 “家族に遺したレシピ”出版秘話 書籍化を即決断 幻冬舎社長・見城徹氏語る「死ぬことは最期を生きること」

■明日に向かっていく決意

レシピノートを見ながら夕飯の準備をする長女・優華さん(当時21)、長男・健渡さん(当時15)

伊鈴さんが書いたレシピノート。

保育園の元調理師で、家でも料理を楽しんでいた伊鈴さん。三嶋家の「味」をイラスト付きで遺していました。

二人の子がノートを見ながら夕食を作る場面を、見城社長は後に動画でも見ています。

幻冬舎・見城徹社長:
「手まりシューマイなんかも、おいしそうだなと思ったけれど、ちゃんと亡くなったお母さんとまだ伝わってる、つながっているという、そういうところもグッときたし、それぞれが淡々と、それでも明日に向かって生きていくしかないっていう決意のようなものがちゃんと出ていて」

幻冬舎 編集者・菊池朱雅子さん

当初、書籍化に戸惑っていた三嶋家。時間をかけて、その意義を考え最終的には承諾し、追加の取材にも応じてくれました。

担当した編集者の菊地朱雅子さんです。

幻冬舎 編集者・菊地朱雅子さん:
「こちらとしても、あまりこういう話を聞くのは、特に健渡くん、小さかったですし
どうなのかなと思ったけれど、すごく一生懸命お話ししてくださって。何よりいつも笑顔で迎えてくれて、そういうところも最初に見城が、何かこの家族に感じたものというのが、こういうところにあるんだなと」

■「泣きながら最後まで読んだ」

「家族のレシピ」

放送から約1年。「家族のレシピ」が完成。

闘病の日々や瀬角医師のエピソードなど特集ニュースでは伝え切れなかったストーリーがふんだんに盛り込まれました。

完成した本を手にした見城社長はー。

幻冬舎・見城徹社長:
「パラパラっと読んだら止められなくなっちゃって、泣きながら最後まで読んだっていう記憶があります。人は必ず死ぬわけで、でも死んでもつながっていく、家族でいられるっていう、それが伊鈴さんの遺したものですよね」

■石原慎太郎さん、坂本龍一さんとの別れ

幻冬舎・見城徹社長

実はこの前後に、見城社長も大切な人との別れを経験していました。

幻冬舎・見城徹社長:
「一人は石原慎太郎(2022年2月死去)、一人は坂本龍一(2023年3月死去)、一人はきのうの朝、亡くなった親友、同い年の」

闘病の末、亡くなった3人。共に過ごした時間、交わした言葉が心に残っています。

幻冬舎・見城徹社長:
「坂本龍一には、亡くなる1カ月半ぐらい前に最後の晩餐をレストランで、来られないかなと思ったけど来て、最後の晩餐を2人でしました」

石原慎太郎さんと、親友の男性は自宅で亡くなりました。

幻冬舎・見城徹社長:
「石原慎太郎さんは、亡くなる直前まで会うことができました。きのう亡くなった親友は、たまたま亡くなる1週間前に自宅で葬儀委員長は見城がやってくれ、とかいろんなことを頼まれたりもしました。やっぱり親しい人には、亡くなる前にちゃんと何回か会っておきたいですよね」

■「死ぬことは最期を生きること」

訪問診療クリニック樹・瀬角英樹医師

多くの自宅での看取りを支えてきた瀬角医師はこう述べています。

訪問診療クリニック樹・瀬角英樹医師:
「死ぬんじゃなくて、その最期の日まで、その人らしく生きるんだ」

「家族のレシピ」(県内各地の書店やネット書店で販売)

幻冬舎・見城徹社長:
「あの番組から一番もらったのは『死ぬことは最期を生きること』。その人の生き方を考えさせるものだから、読む人一人一人の人生を考えさせるものだから、読んでいるとじわじわと心に染み込んでくる本なんですよ。気が付くと、ずっと泣きながら、読み終わるという本なんですよ。だから、たくさんの人に読んでほしいなと思います」

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