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息子はギャンブル依存症 母の苦悩 親の言葉届かず「深く怖い病気」 借金約1000万円肩代わり 回復前に逮捕され3年会えず 医師「非難せず早めの相談・受診を」 

ギャンブル依存は病気 医師「コントロール失われた状態」

県立こころの医療センター駒ケ根・犬塚伸副院長

「県立こころの医療センター駒ケ根」で治療や相談にあたる犬塚医師。ギャンブル依存症は年齢や収入などに関係なく、「誰しもがかかる恐れのある病気だ」と訴えます。

県立こころの医療センター駒ケ根・犬塚伸副院長:
「ギャンブルによってドーパミンが脳の中に放出される、それでそのドーパミンにだんだん脳が慣れていくと、さらにギャンブルをやりたくなってしまう、それでいつの間にかはまり込んだ状態、抜け出せなくなった状態。一言で言うとコントロールが失われた状態というふうに考えています」
「本当に真面目で普通にネクタイを締めて仕事をされているような方、20代、30代の方が多い印象です」

「特効薬」はなく、集団プログラムで治療

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では、ギャンブル依存が疑われる人とどう向き合えば良いのでしょうか。

県立こころの医療センター駒ケ根・犬塚伸副院長:
「そういうことをしていてはダメじゃないのとかですね、今後は改めなさいとか言ってもなかなか本人さんが孤立するだけなんですね。ですので、ご家族さんにお願いしたいことは、一つは叱らない、もう一つは肩代わりをしない、その2点をいつもお願いしているところです」

ギャンブル依存症に特効薬はありません。

同じ境遇の人たちが集って、互いの経験を話し合う集団プログラムが有効とされています。

女性の息子は回復する前に逮捕…

50代女性は「家族の会」に参加

女性の息子もギャンブル依存症と診断され、施設に入所したり、病院に入院したりしました。

しかし、回復する前に盗みの疑いなどで逮捕され、先日、実刑判決を受けました。

女性は、もう3年、会っていません。

50代女性:
「本当に深い病気だなと、恐ろしい病気だなと思います。本人には自分の問題と向き合ってもらって、いつかもし回復したら会えればいいと思っていますけれども、今は本当に昔の息子ではないので親の言葉は響かないです」
「うちの祖父なんかには(息子が)死んでしまえばいいのにって言われました。私は切なかったです。私の責任なんだなと思いましたし、家族にも理解ができない病気です。なので理解ができる家族会につながってもらって生きる力をもらってほしい」

女性は当事者の家族でつくる「全国ギャンブル依存症家族の会」に参加。啓発活動などを行っています。

医師「早めの相談・受診を」

ギャンブル依存症はあくまで病気。犬塚医師は早めの相談や受診を呼び掛けています。

県立こころの医療センター駒ケ根・犬塚伸副院長:
「ギャンブル問題で困っている方が身近にいたら、あるいはご本人がそういう場合は、決して恥ずかしがらず、たまたまなってしまった病気なんだということで、周りの人は決して非難することなく、淡々とですね、医療機関なり相談機関にご相談いただければというふうに思います」

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