特集は人気のイチゴです。手掛けているのはなんとバス会社。まさに「畑違い」でしたが、地域を盛り上げようと8年前に生産を始めました。味が評判となり今や全国の菓子店から注文が相次ぐ特産品になっています。
■イチゴ栽培を始めたきっかけは?
生クリームの上に真っ赤なイチゴ。
イチゴのケーキは年中、人気です。
子ども連れの母親:
「やっぱりイチゴですね。子どもが好きなのでイチゴが食べたいというリクエストで」
4歳の娘:
「イチゴ、たのしみ!」
こちらは須坂市に本社を置く二葉堂の工場。
この時期使っているのは、夏から秋にかけて収穫される夏秋イチゴの「恋姫」です。
二葉堂 洋菓子製造課長・岩崎利夫さん:
「イチゴらしいイチゴですよ。しっかり甘みもあるし、酸味もあるし、バランスがいいイチゴだと思います」
このイチゴを手掛けているのは、実は伊那市を拠点にバスを運行する「伊那バス」です。
バス会社がなぜイチゴ栽培を?
伊那バス・藤沢宏正専務:
「創業100周年に向けて、何か地域に恩返しできるようなことはないかと、その中で出てきた案の一つが採用された」
1919(大正8)年創業の伊那バスは、2019年に創業100年を迎えました。
その節目に合わせて社員から募った、新たな取り組みの中に「イチゴ栽培」があったのです。
■提案したのは燃料部門の担当者
南アルプスを見渡す高台に並ぶ農業用ハウス。
伊那バスの子会社「苗香屋」(のうかや)の圃場です。
赤く実った「恋姫」の甘い香りが漂います。
苗香屋・青木一徳さん:
「これ、もういいですね。きょう採れるものです。なかなか難しいんです、こだわっていて。早いのも採りたくないし、遅すぎると完熟してしまうので見極めを厳しくしています」
苗香屋の青木一徳さん(47)。
作業が板についていますが、もとはグループ会社で燃料部門を担当していました。
実は、青木さんこそが、「恋姫」の栽培を提案した張本人です。