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「終わらせない…」アマゴの養殖場50年 祖父84歳から孫26歳へ思い受け継ぐ「山あいの集落支える」

■孫「終わらせたくない」

約100万匹のアマゴを養殖

アマゴは病気になりやすく魚の状態を常に観察し池の水量や水温に注意しなければなりません。

勉強を重ねて徐々に生産量を増やしやがて魚だけでなく卵も採って、他の業者に卸すまでになりました。

泰阜村栃城集落

しかし、過疎化と高齢化で10年ほど前から生産者は理事長の木下さんだけに。

2年ほど前から養殖をやめようと考えるようになりました。

するとー。

組合 前理事長・木下藤恒さん

組合 前理事長・木下藤恒さん(84):
「本当は渡したくなかった、でも孫が『どうしてもやりたい』と言うから、『覚悟してやれよ、中途半端で投げ出したら承知しねえぞ』と」

新理事長・孫の翔太郎さん

高校卒業後から手伝っていた孫の翔太郎さんが養殖場を受け継ぐことなり2023年5月、理事長に就任しました。

新理事長・孫の翔太郎さん:
「じいちゃんだけで終わらすのはもったいないな、それでやっていきたいなと」

■最初の夏、いきなり試練

池で作業をする孫の翔太郎さん

就任して最初の夏。いきなり試練がありました。

雨が降らず、川の水量が減った影響で池が酸素不足となり一部のアマゴが死んでしまう事態に。

新理事長・孫の翔太郎さん:
「今までにないような暑さで魚を厳しい状況で飼っている。餌も慎重にまかないといけないしすごく今、難しい」

何とか乗り越え、2023年も愛知や静岡を中心に35トン・およそ60万匹を出荷する予定です。

■養殖技術は祖父から孫へ

アマゴの塩焼きや南蛮漬け

冒頭で紹介した阿智村の「青木屋」。

組合のアマゴは人気メニューで塩焼きや南蛮漬けにして提供しています。

阿智村の「青木屋」でアマゴの塩焼きを食べる客

愛知県から:
「とてもフワフワで臭みもなくておいしかったです」
「しっとりしてておいしいです、あっさりしてます。クセがなくて食べやすいです」

青木屋・渋谷秀文さん

青木屋・渋谷秀文さん:
「木下さんのところの魚は肉もしっかりついていて、大きさもいつも大きな形の魚を用意していただいて、大変好評」

池で作業をする孫の翔太郎さん

山あいの集落を支えようと始まったアマゴの養殖。

その思いと養殖技術は今、祖父から孫へ受け継がれようとしています。

前理事長・木下藤恒さんと新理事長で孫の翔太郎さん

組合 前理事長・木下藤恒さん(84):
「魚を見るたびに、魚の状況がどうなのか。元気なのかそうでないのかをいつも頭に置いていて」

新理事長・孫の翔太郎さん:
「はい」

祖父から孫へ

新理事長・孫の翔太郎さん:
「取引先の皆さんに安全にお届けすると、それをモットーに一番大事にしていきたい。この魚の仕事ができなくなるまで続けて新しい世代へやれたらすごくいいことだと思う」

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