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野菜たっぷりの温かい汁を麺に…信州の「おにかけ」文化 上伊那ではお盆に「おにかけそうめん」が定番

上伊那地域でお盆に食べられる「おにかけそうめん」

野菜を煮た汁を麺にかけて食べる郷土食「おにかけ」。長野県の上伊那地域では、お盆にそうめんにかけて食べるのが定番です。なぜ、お盆?なぜ、そうめん?定番になった理由を探ってみました。

温かい汁を、そうめんやひやむぎにかけます。長野県の上伊那地域では「おにかけそうめん」と呼んでいて、お盆定番の味です。

志和の会・酒井さつきさん(78):
「大概の家が13日の迎え盆の時に作って、お供えをしております。具を煮て、そうめんにかけるということで“お煮かけ”というふうになったと聞いている」

「志和の会」の皆さんに作ってもらった

伊那市の介護施設に併設されている「たんぽぽカフェ」。こちらを利用している女性グループの酒井さつきさんたちに「おにかけそうめん」を作ってもらいました。

作り方はシンプル。干しシイタケや油揚げ、ニンジンを千切りにし、シイタケの戻し汁やしょうゆを入れて煮込みます。

これをゆでたそうめん、またはひやむぎにかけたら完成です。

志和の会・酒井さつきさん(78):
「特別のだしを使わなくても、シイタケと油揚げで味がでるから」

おにかけそうめん

志和の会メンバー:
「今の時期に食べると、『ああ、この味』って思いますよね」

お盆や仏事の席でよく食べられてきた「おにかけそうめん」。どういう経緯で生まれたのでしょうか。

志和の会のメンバー:
「お嫁に来て、おばあちゃんから教わって、今に至って作ってまして、孫とかにおいしく食べさせてます」

志和の会・酒井さつきさん(78):
「明治の終わりの頃から、そうめんに具をのせたものが食べられてきたというふうに聞いてますけど、この伊那地方はなんでそうめんだったのか、私もそこまでは研究不足です」

食文化に詳しい長野県立大学・中澤弥子教授

お盆の時期、そうめんを仏様にお供えするという風習は、日本各地にあります。これと関係しているようですが、温かい汁をかけて食べるようになったのはなぜなのでしょうか。

食文化に詳しい長野県立大学の中澤弥子教授。お盆や仏事に人が多く集まることとも関係しているのではと、話します。

長野県立大学・中澤弥子教授:
「遠くから帰って来られた方をねぎらうということもあり、手間をかけても作っていたということではないかと。でも実際には、いっぱい汁を作っておけば、そして麺をゆでておけば、いつでもさっとおかわりもおいしい状態で提供できるということで、理にかなった食べ方だと」

そして、もう一つ…

長野県立大学・中澤弥子教授:
「夏場は食欲も落ちてくるころ。冷たいものばかりではなくて、温かく、野菜たっぷりのものをおいしく召し上がる習慣があるのは、本当に健康的だなと」

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