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生死の境さまよい…「発達障害」と告げられ 母と乗り越えフルート奏者に「生んでくれてありがとう」

■学校になじめず不登校に

小学生時代の実優さん(画像:坂口さん提供)

その後、運動機能が徐々に改善していったが、小学校に入ると「新たな悩み」が。

坂口実優さん:
「ガヤガヤするような子が嫌いで、どうしても輪に入れなくて、とにかく授業自体が嫌だった。国語の時間とかでグループに分かれて発表みたいな感じのときに、『どう思う?』ってふられるとしゃべれなくて、それが嫌だった。(給食とかは?)全く食べられなくてほぼ残してしまっていて、ちょっとつらいなって思っていて」

実優さんは人とのコミュニケーションが苦手。医師からは「発達障害」と告げられた。学校になじめず、3年生の頃から休みがちになり、やがて不登校に。


母の和美さん

母・和美さん:
「私自身が焦って焦って、分かっていても無理やり(学校に)行かそうとしちゃって、カッとなったときに、一度手を上げちゃったことがあったんですよね。そのときに、当たり所が悪くて鼻血が出ちゃって、それ見てハッと思って、何やっているんだろうと思って。そのときにすごく悲しくて、そこから良いところを伸ばそうと思って。たたくんじゃなくて」

■実優さんには「絶対音感」が

キーボードを弾く実優さん(画像:坂口さん提供)

できないことが多かった実優さん。でも他の人にはない「才能」があった。

坂口実優さん:
「先生が弾いていた(ピアノの)伴奏を聞いて、頭の中にコピーできた感じだったので、弾いたらその通りに弾けていた」

保育園の年長の時、ピアノを本格的に習っていないのに一度聞いた伴奏をすぐに弾いてみせた。

実優さんには「絶対音感」があったのだ。

ピアノを弾く小学生時代の実優さん(画像:坂口さん提供)

その後、ピアノを習い始め、母・和美さんは経験者ということもあり、家で猛練習をさせた。

母・和美さん:
「ピアノも相当詰め込んじゃったんですよ。できるから、弾けるから。人に、この子、何もできないんだって思われるのが悔しくて、何かで輝かせたいというのがあったので」


■転機 フルートとの出会い

坂口実優さん

環境を変えようと4年生の時に私立の小中一貫校に転校。こちらも休みがちだったが6年生のとき、「転機」が訪れる。

坂口実優さん:
「中学3年生の先輩が昼休みに、フルートを吹いている姿をよく見ていたんです。すごくきれいな音だな、なんてきれいなピカピカな楽器なんだろうと一瞬でとりこになってしまって、中学の入学式の帰り道に『今すぐ楽器屋に連れて行ってほしい』と親にお願いして。実はあまりピアノが好きではなかったんです。みんなが喜ぶから弾いていただけだったんです」

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