
飯田・下伊那地域で運行するタクシー「アップルキャブ」
「家族の絆」でタクシーを気軽に利用してもらおうという取り組みです。長野県飯田市のタクシー会社が、高齢者の利用代金の一部を離れて暮らす家族に請求する事業を始めました。

専用のチケット「家族の絆」
飯田・下伊那地域で運行するタクシー「アップルキャブ」。運行会社ではこの春から新たな事業を始めました。
こちらが専用のチケット。よく見ると「家族の絆」と書かれています。
どういう事業なのでしょうか?
「アップルキャブ」を運行する・南信州広域タクシー・鈴木佳史社長:
「料金を親御さんと子どもさんが話し合いの中で(支払う)割合を決めて、例えば半分半分にして『半分はお父さん払ってね、あとは僕たちがフォローしていきますよ』っていうことを決めて、契約をしてやっていくということです」

「家族の絆タクシー」のシステム
その名も「家族の絆タクシー」。
システムはこうです。まず、利用を申し込むと専用のチケットが発行されます。
利用者とその家族であらかじめ代金の負担割合を決めておき、専用のチケットで乗車します。
利用者は負担割合に合わせた代金をその場で支払い、残りは家族に請求する流れです。
なぜ、こうした事業を始めたのでしょうか?
南信州広域タクシー・鈴木佳史社長:
「公共交通機関の中でタクシーって金額的に高いイメージがあるんですよ。そのハードルを下げたい、より気軽に手軽に乗っていただきたいという思いがあってスタートしました」

「家族の絆タクシー」のシステム
電車や路線バスに比べて利便性が高いタクシー。
一方で、利用代金は割高で、高齢者の利用促進が課題となっています。
そこで支払いの負担を軽くし、利用につなげよと考えたのが「親家族の絆タクシー」です。

南信州広域タクシー鈴木佳史社長
ほかの狙いもあります。
南信州広域タクシー鈴木佳史社長:
「こういうサービスがあるから免許返納しようということで返納する方が増えて、いろんな高齢者の事故が減ってくるという効果を期待していますね。家族が請求書の明細を見て『この日に買い物行ってるね、週に2、3回行ってるんだよね』って。親御さんの行動が目に見えてはっきりわかるということで安心をする。タクシーって公共交通の中で『最後の砦』だと思うんですよ」
移動の足のない高齢者のために。地域のタクシー会社が知恵を絞っています。