■なぜ、梅雨時に?

気象病の症状
なぜ、梅雨時になるとそうした症状が生じるのでしょうか。
安曇野内科ストレスケアクリニック・飯田俊穂医師:
「前線が通るときに気圧の変化があるんですけど、気圧の変化によって脳の中のセンサーに影響が出て、それで症状が出るということ。敏感で繊細な方、自律神経失調症という病気があるんですけど、自律神経に症状が出やすい人、反応しやすい人が症状として起こりやすい」

長野市の気温(6月)
自律神経に影響を及ぼすのは「気圧の変化」だけではありません。「気温の変化」も大きく影響します。
ジェットコースターのようなグラフ。過去2週間の長野市の最高気温、最低気温の変化で、16日と17日の最高気温は9度も違います。
さらに1日の気温差に注目すると、17日と20日は17度前後も違います。
■異常気象…症状訴える人が増加傾向

梅雨
医薬品メーカーの「第一三共ヘルスケア」が2022年実施した都道府県別の調査によると、県内では64%の人が気象病の経験があると回答しました。
全国では16番目の多さで寒暖差の大きい内陸の地域性が影響しているとみられます。
さらに近年は異常気象と呼ばれるほど気象が不安定になり、症状を訴える人が増える傾向にあるということです。
■適度な睡眠、ストレスの発散を

安曇野内科ストレスケアクリニック
さて、こうした気象病を予防したり解消したりする方法はあるのでしょうか。
安曇野内科ストレスケアクリニック・飯田俊穂医師:
「一般的には対症療法といって、頭痛があれば頭痛薬、めまいがあればめまいの薬と、症状に合わせた対処法が知られていますけど、それですっきりするかというと、なかなか効かないというのが一番困っているところですね」

自律神経のバランスを整える
気象病を予防するのは難しく、対症療法になりがち。
まずは症状を悪化させないためにも自分の体を知り、無理をしないことが大切だということです。
安曇野内科ストレスケアクリニック・飯田俊穂医師:
「あらかじめ天気予報を把握してもらって『そろそろ危ないぞ』という時には、無理しないようにするとか、そういうときにイベントとか用事は避けるとか、あまり出歩かないとか、そういった工夫をせざるを得ないですかね」
自律神経のバランスを整えるには、適度な睡眠、ストレスの発散、規則正しい生活を心がけることが重要です。
こんなマッサージもおすすめ。
(1)まず耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張ります。
(2)そのまま軽く引っ張りながら後ろ方向に5回ゆっくりと回します。
(3)続いて、耳を包むように折り曲げて5秒間、キープします。
(4)最後に耳全体を手のひらで覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと5回、回します。

梅雨が明ければ本格的な夏
このマッサージをすることで耳周りの血行が良くなって自律神経が整い、症状の改善が期待できるということです。
梅雨が明ければ本格的な夏。
暑さに備えるためにも天気予報をチェックしながら体調を整え、梅雨を乗り切りたいものです。