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上田城の櫓復元に向け「懸賞金500万円」 古写真など新資料の発掘に期待

■真田昌幸が築城

上田城で江戸時代から現存している唯一の建物

長野県上田市が失われた上田城の櫓(やぐら)の復元に向け総額500万円の懸賞金を設けて情報を募ることになりました。

上田城は戦国武将・真田昌幸が二度にわたって徳川の大軍を退けたことで知られる名城です。

現在の城跡は真田氏に続いてこの地を治めた仙石氏の時代に整備されたもので、本丸などが国の史跡に指定されています。

北・南・西の3つの櫓が現存し復元された櫓門とともに多くの観光客を迎えています。

■古写真を探すも見つからず

絵図は上田市立博物館蔵

実は江戸時代の本丸には7つの櫓がありましたが、4つは明治時代に失われてしまいました。

上田市は市民の誇りである城を往時の姿にできるだけ近づけようと30年以上前から研究機関や古書店に声をかけるなどして資料を捜してきました。

特に喉から手が出るほど欲しいのが古写真です。

1994(平成6)年に櫓門を復元できたのも破却される前の写真があったためですが、失われた4つの櫓の写真は未だに見つかっていません。

2018(平成30)年には匿名の市民から「復元に役立ててほしい」と10億円もの寄付がありましたが有力な資料が見つからず、お金は手付かずのままになっています。

2023年4月に市長の直轄組織として設置された「櫓復元推進室」の清水一郎室長補佐はー。

上田市櫓復元推進室 清水一郎室長補佐:
「4つの櫓の復元に向けて古写真等の資料収集を続けてきましたが、現時点でなかなか発見に至っていません」

■復元に向け500万円の懸賞金

上田市役所が櫓の復元に向け総額500万円の懸賞金を設けて情報を募ることに

そこで「奥の手」として市が設けたのが今回の500万円の懸賞金です。

そのものズバリの写真が一番望ましいのですが、それ以外にも櫓の高さが書き込まれた絵図や古文書、立面図など正確な資料があれば復元につなげられると期待しています。

資料の募集期間は今年の7月3日から2024年3月29日まで。専門家による審査などを経て「復元に資する」と認められれば懸賞金が支払われます。

全国的な城郭ブームの中、復元に向け新資料の発掘を期待した懸賞金制度は盛岡城や高松城などにも設けられています。

市では「何としても櫓の復元につなげたい」と広く情報を募っています。

上田市櫓復元推進室 清水一郎室長補佐:
「モチベーションというか復元への思いを一段と高めてもらえるのではないか。眠っている資料があるのではと期待しているので、土蔵とかいろいろな所をひっくり返していただければ」

「決め手」となる資料は見つかるのか?

夢の実現へ期待が高まります。

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