
特集は山あいの新たな店。長野市中条で「音楽堂」として親しまれてきた建物を夫婦がカレー店に改装。さらに2024年には蒸留所も整備しようとしていて、地域においしさと活気を届けようとしている。
山あいの長野市中条・日下野地区。そこに5月27日、「spice&herb AYA CURRY(スパイス&ハーブ アヤ カレー)」がオープンした。
客:
「野菜の味とか自然な味とスパイスがマッチしておいしい」
本格的なスパイスカレーが売りの店。
地元出身の笠井茂真さん(42)が主に接客を、諏訪市出身の妻・彩夏さん(39)が調理を担当する。
店のオープン、多くの住民が早くから注目していた。
中条地区在住(66):
「こんなふうに変わるんだなと。懐かしいけど、また新しいものが生まれるかなって感じ」
店は地域のシンボルとして親しまれてきた旧「中条音楽堂」の一角にできた。
笠井さん夫婦が建物を市から借りて改装したのだ。
spice&herb AYA CURRY・笠井茂真さん(42):
「地元の方々から残してほしいという声もありますし、僕も元々いた場所のものを残せるというのはうれしい。自分がそんなことさせていただけるのが」
建物は、元々、昭和9(1934)年に開校した日下野小学校の体育館。
昭和53(1978)年に小学校が閉校した後、音楽系の専門学校の合宿を受け入れてきた経緯もあって、平成元(1989)年、「音楽堂」としてリニューアルされた。
コンサートやイベントの会場として使われてきたが、住民の減少などで利用頻度は年々減少。
2022年3月末、一旦、閉鎖された。
笠井茂真さん:
「(地元では)使われなくなってから、残したいけど、何もすることできないという状況だった」
そうした中、手を挙げたのが笠井さん夫婦。長野市の中心市街地にあった彩夏さんのカレー店を「音楽堂」に移し、夫の地元で再スタートすることにしたのだ。
妻・彩夏さん(39):
「『中条って行ったことないけど』って人たちが、ここをきっかけに来てもらえればなと。一番、目的というか、ここでやる意味があるのかなと」
笠井茂真さん:
「使われてた感が出て、いいんじゃない」
オープン間近の5月22日、二人は最後の準備に追われていた。
照明などは「音楽堂」の備品を再利用した。
笠井茂真さん:
「講演する人の水差しだったものが残っていて、(電球のカバーに)使わせてもらったんですけど、これでまた何十年と使えるようになればいい」
梁(はり)や柱もほとんど以前のまま。
カレー店になるのは待合スペースだった「ホワイエ」部分。
コンサートなどが開かれていた「ホール」は―。
笠井茂真さん:
「全体の半分くらいを蒸留所スペースにする予定です」
実は、ジンの蒸留所に生まれ変わる。
茂真さんは長くイタリアンの店で働き、ソムリエの資格も取得。「自分の酒を造りたい」と2018年、夫婦で福島県に移住し酒造りの基礎を学んだ。
翌年からは飯山の酒造会社でジンやウイスキーの製造にも携わった。
「音楽堂」は茂真さんにとっても思い出の場所。学生時代、ここでバンドの練習をしてきた。
「音楽堂」の閉鎖を聞き、ジンの蒸留所としても活用したいと考えた。
笠井茂真さん:
「(使われないのは)すごくもったいないことだなと。古いものを作り替えながら残していければ…」
蒸留所は2024年春に工事を始め、年内には完成する予定。
香りづけに特産の西山大豆などを使ったジンを造り、地元の魅力を発信したい考えだ。
笠井茂真さん:
「豊富に採れる山菜の香りを生かしたものや、季節をグラスから感じられるものを造りたい」
5月27日、カレー店のオープン当日。
カルダモンやコリアンダーなど5~6種類を配合して作るスパイスカレーが出来上がった。(アヤカレー定食(チキンカレー)1250円)
付け合わせには地元の青首大根を使った切り干し大根や、西山大豆で作った豆腐が添えられている。
かつての「拠点」が生まれ変わり、地元住民も喜んでいる。
中条地区在住(65):
「とてもおいしかったです、スパイシーで。コンサートとか開いて楽しい場所だったので、またこんなふうににぎやかになってくれるとうれしい」
息子(30):
「もともと学校で、僕の父親が通っていたので、連れてきてもらって遊んだりしていた。地元の人に愛されて、よそからもお客さん呼び込んで、地域活性化の起爆剤になってくれれば」
日下野小の卒業生も…。
日下野小の卒業生(87):
「おいしいです。何かに利用してもらえればありがたいよね」
カレー店に、ジンの蒸留所。
住民に親しまれてきた歴史ある建物が、再び活気を取り戻そうとしている。
妻・彩夏さん:
「(住民たちが)ふらっと来てくれる場所になれば。寄り合いじゃないですけど『きょうカレー行く?』みたいな感じで来てくれるのが理想」
spice&herb AYA CURRY・笠井茂真さん:
「地元の方、外の方、いろんな方が集まって、いろんな作用を生み出したりということがこの場所でできればなと」
山あいの長野市中条・日下野地区。そこに5月27日、「spice&herb AYA CURRY(スパイス&ハーブ アヤ カレー)」がオープンした。
客:
「野菜の味とか自然な味とスパイスがマッチしておいしい」
本格的なスパイスカレーが売りの店。
地元出身の笠井茂真さん(42)が主に接客を、諏訪市出身の妻・彩夏さん(39)が調理を担当する。
店のオープン、多くの住民が早くから注目していた。
中条地区在住(66):
「こんなふうに変わるんだなと。懐かしいけど、また新しいものが生まれるかなって感じ」
店は地域のシンボルとして親しまれてきた旧「中条音楽堂」の一角にできた。
笠井さん夫婦が建物を市から借りて改装したのだ。
spice&herb AYA CURRY・笠井茂真さん(42):
「地元の方々から残してほしいという声もありますし、僕も元々いた場所のものを残せるというのはうれしい。自分がそんなことさせていただけるのが」
建物は、元々、昭和9(1934)年に開校した日下野小学校の体育館。
昭和53(1978)年に小学校が閉校した後、音楽系の専門学校の合宿を受け入れてきた経緯もあって、平成元(1989)年、「音楽堂」としてリニューアルされた。
コンサートやイベントの会場として使われてきたが、住民の減少などで利用頻度は年々減少。
2022年3月末、一旦、閉鎖された。
笠井茂真さん:
「(地元では)使われなくなってから、残したいけど、何もすることできないという状況だった」
そうした中、手を挙げたのが笠井さん夫婦。長野市の中心市街地にあった彩夏さんのカレー店を「音楽堂」に移し、夫の地元で再スタートすることにしたのだ。
妻・彩夏さん(39):
「『中条って行ったことないけど』って人たちが、ここをきっかけに来てもらえればなと。一番、目的というか、ここでやる意味があるのかなと」
笠井茂真さん:
「使われてた感が出て、いいんじゃない」
オープン間近の5月22日、二人は最後の準備に追われていた。
照明などは「音楽堂」の備品を再利用した。
笠井茂真さん:
「講演する人の水差しだったものが残っていて、(電球のカバーに)使わせてもらったんですけど、これでまた何十年と使えるようになればいい」
梁(はり)や柱もほとんど以前のまま。
カレー店になるのは待合スペースだった「ホワイエ」部分。
コンサートなどが開かれていた「ホール」は―。
笠井茂真さん:
「全体の半分くらいを蒸留所スペースにする予定です」
実は、ジンの蒸留所に生まれ変わる。
茂真さんは長くイタリアンの店で働き、ソムリエの資格も取得。「自分の酒を造りたい」と2018年、夫婦で福島県に移住し酒造りの基礎を学んだ。
翌年からは飯山の酒造会社でジンやウイスキーの製造にも携わった。
「音楽堂」は茂真さんにとっても思い出の場所。学生時代、ここでバンドの練習をしてきた。
「音楽堂」の閉鎖を聞き、ジンの蒸留所としても活用したいと考えた。
笠井茂真さん:
「(使われないのは)すごくもったいないことだなと。古いものを作り替えながら残していければ…」
蒸留所は2024年春に工事を始め、年内には完成する予定。
香りづけに特産の西山大豆などを使ったジンを造り、地元の魅力を発信したい考えだ。
笠井茂真さん:
「豊富に採れる山菜の香りを生かしたものや、季節をグラスから感じられるものを造りたい」
5月27日、カレー店のオープン当日。
カルダモンやコリアンダーなど5~6種類を配合して作るスパイスカレーが出来上がった。(アヤカレー定食(チキンカレー)1250円)
付け合わせには地元の青首大根を使った切り干し大根や、西山大豆で作った豆腐が添えられている。
かつての「拠点」が生まれ変わり、地元住民も喜んでいる。
中条地区在住(65):
「とてもおいしかったです、スパイシーで。コンサートとか開いて楽しい場所だったので、またこんなふうににぎやかになってくれるとうれしい」
息子(30):
「もともと学校で、僕の父親が通っていたので、連れてきてもらって遊んだりしていた。地元の人に愛されて、よそからもお客さん呼び込んで、地域活性化の起爆剤になってくれれば」
日下野小の卒業生も…。
日下野小の卒業生(87):
「おいしいです。何かに利用してもらえればありがたいよね」
カレー店に、ジンの蒸留所。
住民に親しまれてきた歴史ある建物が、再び活気を取り戻そうとしている。
妻・彩夏さん:
「(住民たちが)ふらっと来てくれる場所になれば。寄り合いじゃないですけど『きょうカレー行く?』みたいな感じで来てくれるのが理想」
spice&herb AYA CURRY・笠井茂真さん:
「地元の方、外の方、いろんな方が集まって、いろんな作用を生み出したりということがこの場所でできればなと」