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加入率減「PTA解散」→『有志団体』設立へ 「支えたい人、応援できる人」で学校支援

2022年度でPTAが解散した長野県松本市の中学校。それに代わる「有志団体」の立ち上げが検討されている。学校を支える取り組みはどう変わるのでだろうか。

5月25日夜、松本市の筑摩野中学校で開かれた会議。集まったのは教職員や前年度のPTA役員だ。

筑摩野中学校は、2022年度でPTAが解散。来年度、PTAに代わる有志団体「筑中りんどう会」を立ち上げることになっている。

昨年度のPTA役員:
「年内のうちに1回、保護者の方たちに集まっていただいて、何となく話をして、そこから地域に向けて(参加者の)募集をかけていった方がいいかな」

今年度は準備段階として「準備委員会」を開き活動内容を模索している。2022年度までのPTA活動と何が変わるのだろうか。

およそ700人が通う筑摩野中学校。3年前、保護者からある疑問の声が上がった。

(保護者)
「PTAへの加入は任意のはず。意思表示が必要だ」

半ば強制のようなPTA加入。いつも難航する役員選び。保護者の中にはPTA活動への疑問や不満が根強くあった。

そこで2022年度は書面で保護者に加入の意思を確認。すると前年度、9割を超えていた加入率が、2022年度は8割ほどに低下。学年によっては7割ほどになった。

昨年度のPTA会長:
「加入率が減っちゃってるのが一番のところで。あと役員決めがなかなか決まらない部分が私の代でもあったので次の年、次の年、同じことが繰り返されるのはどうにもならないことかなと思い、解散という形をとらさせていただいた。いい方向のやり方があれば続けていければと思ってたけど、私どもの範囲の中だといい解決策が見つからなかった」

こうしてPTAが解散。それに代わる「有志団体」を立ち上げることになった。

従来のPTAとの大きな違いは、学校を「支えたい人・応援できる人」で活動していくこと。

教職員や保護者の他に地域住民も巻きこむことにしている。

筑中りんどう会事務局・児玉亨教諭:
「筑中のPTAを時代に合った形に変えて、皆さんが参加できる範囲でお力をいただけたらと、今、立ち上げの準備をしています」

この日、話し合ったのは中庭に砂利を敷く校内の環境整備について。

筑中りんどう会事務局・児玉亨教諭:
「(砂利を)例えば校庭の入り口から行けるところまでって言うと、市の方で見繕って、だいたいこれくらいって」

作業に向けて、準備委員会が保護者に参加希望のアンケートを取ったところ、30名以上から申し出があった。

今後、地域住民の参加を募るのに明るい兆しとなった。

筑中りんどう会事務局・児玉亨教諭:
「30名を超える方がお手伝いを名乗りいただいた。大変うれしく思っています」

昨年度のPTA会長:
「(準備委員会が)まだ立ち上がって手探り状態の中で、どういう方向に進んでいくのか正直、自分自身も分からないけど、いい方向に向かって行ければな」

全国で相次ぐ、PTAの解散。

長野市や松本市、県のPTA連合会によると、現時点で解散を検討している学校はないということだ。

一方、今年度から筑摩野中のようにPTAの任意加入に向けて意思確認を始めた学校がある。

生徒数はおよそ350人、同じ松本市の高綱中学校だ。

保護者にPTAに加入するか意思確認をしたところ、今年度の加入者は75%。2022年度は100%で大幅な減少だ。

すぐに「PTA解散」ということにはならないようだが、今後が注目される。

支えたい人、応援したい人だけで従来のPTAのような活動ができるのか―。

模索が続く。

昨年度のPTA会長:
「協力していただく方々が参加しやすいような、いい環境がつくっていただければな。(保護者と)学校とのつながりは続けていってもらいたいなという気持ちはあるので、できればつながりは何とか保ってもらいたいな」
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