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新1年生は1人「最後の入学式」 山あいの小学校が閉校へ “ラストイヤー”児童14人で故郷の魅力再発見

特集は2023年度で閉校する山あいの小学校。閉校が決まった長野市信更町の信更小学校だ。新1年生は1人だけ、全校生徒は14人。最後の1年は地域に出て、魅力を再発見し、住民に感謝を伝えて締めくくることにしている。

長野市の山あいにある信更小学校。桜がちょうど満開となる中、真新しいランドセルを背負って登校してきたのは、柳沢丈くん(6歳)だ。

児童たち:
「たけるくん、おはよう」
「おはよう!」

丈くんは最後の1年生。

信更小学校は2023年度で閉校することが決まっていて、4月6日、最後の入学式が行われた。

2016年、児童数の減少から信田小学校と更府小学校を統合して発足した信更小学校。当初は校歌がなく、代わりに「長野市歌」を歌っていた。再スタートとなったこの年の児童は42人だった。

あれから8年。

6年生に手を引かれて丈くんが入場、最後の入学式が始まった。

全校児童は丈くんを入れて14人。信更小になってからも児童数の減少に歯止めがかからず、2022年、閉校が決定。

2024年度、6年生は篠ノ井西中に、他の児童は近くの3つの小学校の中から選んで登校することになる。

新しい校歌も今年度で歌い納め…。

児童代表あいさつ・唐木結愛さん(6年生):
「信更小学校は1年でなくなってしまいますが、みんなで楽しい思い出をたくさんつくっていきましょう」

お兄さん・お姉さんたちが歌で歓迎―。

記者:
「小学校でがんばりたいことは?」

新1年生・柳沢丈くん:
「……」

記者:
「得意なことは?」

丈くんの母・柳沢まりなさん:
「走るの得意だね」

ちょっと緊張気味…。

母・柳沢まりなさん:
「最後の入学生ではあるんですが、この子らしく元気に通ってくれればいいな。近くの学校がなくなってしまうので寂しいけど、子どもにとってこれがいい経験にってくれればいいな」

新たな仲間を迎えて―。

内山夏希さん(3年生):
「1人増えて楽しくなりそうだから、うれしい」

唐木結愛さん(6年生):
「(丈くんは)たぶんきょうは緊張していたけど、元気がいい子なので盛り上がりそう」

14人で過ごす最後の1年。寂しくはあるが、児童たちにはやりたいことがあった。

午前8時半ごろ―。

児童たち:
「おはようございます」

7日朝、全校児童はタクシーに分乗して小学校を出発。

向かった先は町内にある長勝寺だ。

最後の1年、児童たちは総合的な学習の時間を使って、自分たちの住む信更の魅力を再発見し、映像に残すことにしている。

7日、訪れた長勝寺は、桜とアルプスの眺めが評判の絶景ポイント。7日はあいにくの曇り空で絶景を見ることはできなかったが、県の宝・県宝に指定されている仁王像を見学したり、桜の写真を撮ったりして過ごした。

6日、緊張していた丈くんも、7日は楽しそうに過ごしていた。

「絵馬」に願い事を書いて奉納した。

庭山惺佳さん(6年生):
「信更小学校のみんなでお泊り会や、いろいろなことを楽しく協力して1年すごしたい」

竹内一二三さん(5年生):
「(なんて書いた?)楽しく閉校を迎えたい。今年で閉校しちゃうから、悲しく閉校したらなんか嫌だ。今年楽しんで閉校を迎えて、悔いなく次の学校に行ける」

5、6年生担任・安藤光輝先生:
「なかなか地域にいると信更町の良さが感じられないと思うが、信更町のいいところを体験して、それを町の人や外部の人に良いところを伝えられればいいな」

地域と積極的に触れ合う1年に…。

児童が撮った信更の映像は、感謝を込めて地域に贈呈することも考えている。

また保護者たちも、最後にふさわしい思い出づくりのイベントを検討している。

信更小学校・蓑輪勝枝校長:
「この年度末で閉校になるが、子どもたちのふるさとであることには変わりがない。子どもたちが見た信更の良さ、きっと大人が思っているものとは違うと思うので、学んだこと、地域の良さ、感じたことを発表する機会をどこかで取っていきたい」
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