
山あいの集落に住民のつながりを呼び起こす取り組み。長野市の芋井地区で4日から始まった「移動居酒屋」。コロナ禍でめっきり減った酒を酌み交わしながら地域のことを語らう場が復活した。
山あいにある長野市の芋井地区。古民家施設に2台のキッチンカーが横づけされた。
住民:
「乾杯!」
中で始まったのは住民たちの宴会。酒や弁当をキッチンカーから購入して、皆で酒を酌み交わしながら語らう移動居酒屋「ポテトむらパブ」だ。
住民:
「いっぱい入れてくれ、はいはい、ありがとう」
「どうもうまい、ごちそうさん」
「こういうことって、大好きだね。昔は当たり前にあったんだ」
この移動居酒屋、住民の要望がきっかけで実現した。
市街地から車で20分ほどの芋井地区。住民はこの10年ほどでおよそ500人減り、現在は1958人。高齢化率は46.8%だ。
芋井の入山集落に暮らす西沢定男さん(85)・照子さん(83)の夫婦。2人で農業に励み定男さんは時折、退職した会社の仲間から頼まれる仕事もしている。この地で3人の子を育て上げ、今は2人暮らしだ。
夫・定男さん(85):
「孫たちが一緒にいればな、にぎやかでいいんだけど、ダメだ」
照子さん:
「ね…」
一緒に暮らしていた三女の家族は2年前、孫の進学を機に家を離れたということだ。最近は家の中だけでなく「集落も少し寂しい」と2人は感じていた。
妻・照子さん(83):
「会合といいますか、そういうのもやらなかったり、やっぱりさみしいですけどね」
コロナ禍で祭りや行事の後などに酒を飲みながら住民同士で語らう場はめっきり減った。
住民の減少と高齢化が進む中、みんなで集落や地域のことを酒を飲みながら話せる場が欲しい…。
西沢さんは仲間と地域おこし協力隊員に相談してみた。
定男さん:
「『酒を飲みながら本音を聞きたい』っていう気持ちは持っていた。過疎化が進んできて、子どもたちが少なくなってきて、これからの芋井全体のことをどのようにやっていくか…みんなでね、飲みながらいろいろ本音が出てくれば」
要望を聞いた地域おこし協力隊員の岸豊さん(54)。
住民グループや弁当のデリバリーなどを行う会社に協力を仰ぎ、今回の「移動居酒屋」を実現させた。
地域おこし協力隊・岸豊さん:
「“社交場”から“井戸端会議”みたいな話で、地域おこしの話し合い、ミニ企画などが立ち上がっていくような感じになれば」
古民家施設に集まる住民たち。
住民:
「こんにちは、しばらくだね」
西沢さん夫婦も到着―。
定男さん:
「あ、どーもー」
地域おこし協力隊・岸豊さん:
「乾杯!」
久しぶりの宴会。30人ほどが集まった。
住民:
「最高ですね。(どんな話をした?)飲む機会がなくて寂しかったと(笑)」
定男さん:
「今、一番悩んでいるのは、芋井小学校が自動17名なんですよ。あの学校がなくなっちゃうと、芋井の若い人たちがますますいなくなっちゃう」
住民:
「飯綱高原の生活基盤が長野(市街)になっちゃっている。だから子どもを(別の小学校へ)送っていくわけですよね。一人ずつでもいいから通わせてくれないと、芋井小学校へは(子どもが来ない)…」
妻の照子さんも…
住民:
「久しぶりに行き会って、うれしい」
照子さん:
「また今度あるときは、友達、芋井にいるからさ、『行こう』って言ってきてね、飲んだり食べたりしながら、よもやま話も良いことだよね」
住民:
「これからお互いに、年とってもやろう」
定男さん:
「また一つ、よろしくお願いします」
照子さん:
「楽しかった」
住民:
「きょうはおいしいお酒を飲んだ!」
集落のつながりを再確認する場となった宴会。
住民と語り合いたいと願っていた西沢さん夫婦は…。
定男さん:
「楽しかったです。来てよかったね」
照子さん:
「子どもの話、生活の話、いろんなところで話し合えば、楽しい会になる。またやりたいと思います」
定男さん:
「こういう機会をつくってもらって、感謝、感謝です。2回、3回続けた方がいい」
地域おこし協力隊・岸豊さん::
「続ける気持ちになっていただいている」
定男さん:
「おらは、せいぜい協力するから」
企画した岸さんは、移動居酒屋から地域活性化のアイデアが生まれる可能性があるとみている。
地域おこし協力隊岸豊さん:
「よそでも応用が利くものだと思う。ぜひ、まねというわけではないですけど、(他地域でも)やっていただければいいんじゃないかと期待」
移動居酒屋「ポテトむらパブ」。施設や集落を変えながら、今後も月1回をめどに開かれる。
山あいにある長野市の芋井地区。古民家施設に2台のキッチンカーが横づけされた。
住民:
「乾杯!」
中で始まったのは住民たちの宴会。酒や弁当をキッチンカーから購入して、皆で酒を酌み交わしながら語らう移動居酒屋「ポテトむらパブ」だ。
住民:
「いっぱい入れてくれ、はいはい、ありがとう」
「どうもうまい、ごちそうさん」
「こういうことって、大好きだね。昔は当たり前にあったんだ」
この移動居酒屋、住民の要望がきっかけで実現した。
市街地から車で20分ほどの芋井地区。住民はこの10年ほどでおよそ500人減り、現在は1958人。高齢化率は46.8%だ。
芋井の入山集落に暮らす西沢定男さん(85)・照子さん(83)の夫婦。2人で農業に励み定男さんは時折、退職した会社の仲間から頼まれる仕事もしている。この地で3人の子を育て上げ、今は2人暮らしだ。
夫・定男さん(85):
「孫たちが一緒にいればな、にぎやかでいいんだけど、ダメだ」
照子さん:
「ね…」
一緒に暮らしていた三女の家族は2年前、孫の進学を機に家を離れたということだ。最近は家の中だけでなく「集落も少し寂しい」と2人は感じていた。
妻・照子さん(83):
「会合といいますか、そういうのもやらなかったり、やっぱりさみしいですけどね」
コロナ禍で祭りや行事の後などに酒を飲みながら住民同士で語らう場はめっきり減った。
住民の減少と高齢化が進む中、みんなで集落や地域のことを酒を飲みながら話せる場が欲しい…。
西沢さんは仲間と地域おこし協力隊員に相談してみた。
定男さん:
「『酒を飲みながら本音を聞きたい』っていう気持ちは持っていた。過疎化が進んできて、子どもたちが少なくなってきて、これからの芋井全体のことをどのようにやっていくか…みんなでね、飲みながらいろいろ本音が出てくれば」
要望を聞いた地域おこし協力隊員の岸豊さん(54)。
住民グループや弁当のデリバリーなどを行う会社に協力を仰ぎ、今回の「移動居酒屋」を実現させた。
地域おこし協力隊・岸豊さん:
「“社交場”から“井戸端会議”みたいな話で、地域おこしの話し合い、ミニ企画などが立ち上がっていくような感じになれば」
古民家施設に集まる住民たち。
住民:
「こんにちは、しばらくだね」
西沢さん夫婦も到着―。
定男さん:
「あ、どーもー」
地域おこし協力隊・岸豊さん:
「乾杯!」
久しぶりの宴会。30人ほどが集まった。
住民:
「最高ですね。(どんな話をした?)飲む機会がなくて寂しかったと(笑)」
定男さん:
「今、一番悩んでいるのは、芋井小学校が自動17名なんですよ。あの学校がなくなっちゃうと、芋井の若い人たちがますますいなくなっちゃう」
住民:
「飯綱高原の生活基盤が長野(市街)になっちゃっている。だから子どもを(別の小学校へ)送っていくわけですよね。一人ずつでもいいから通わせてくれないと、芋井小学校へは(子どもが来ない)…」
妻の照子さんも…
住民:
「久しぶりに行き会って、うれしい」
照子さん:
「また今度あるときは、友達、芋井にいるからさ、『行こう』って言ってきてね、飲んだり食べたりしながら、よもやま話も良いことだよね」
住民:
「これからお互いに、年とってもやろう」
定男さん:
「また一つ、よろしくお願いします」
照子さん:
「楽しかった」
住民:
「きょうはおいしいお酒を飲んだ!」
集落のつながりを再確認する場となった宴会。
住民と語り合いたいと願っていた西沢さん夫婦は…。
定男さん:
「楽しかったです。来てよかったね」
照子さん:
「子どもの話、生活の話、いろんなところで話し合えば、楽しい会になる。またやりたいと思います」
定男さん:
「こういう機会をつくってもらって、感謝、感謝です。2回、3回続けた方がいい」
地域おこし協力隊・岸豊さん::
「続ける気持ちになっていただいている」
定男さん:
「おらは、せいぜい協力するから」
企画した岸さんは、移動居酒屋から地域活性化のアイデアが生まれる可能性があるとみている。
地域おこし協力隊岸豊さん:
「よそでも応用が利くものだと思う。ぜひ、まねというわけではないですけど、(他地域でも)やっていただければいいんじゃないかと期待」
移動居酒屋「ポテトむらパブ」。施設や集落を変えながら、今後も月1回をめどに開かれる。