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今春閉校の中学校…最後の卒業生6人に“校歌オルゴール”プレゼント 卒業生有志が企画

2023年春、長野市の山あいにある中学校が閉校を迎えます。最後の卒業生6人に「思い出を大切にして羽ばたいてほしい」と、1958年度(昭和33年度)の卒業生有志が校歌のオルゴールをプレゼントしました。

優しい音色を奏でるオルゴール。メロディーは今年3月で閉校する長野市立信更中学校の校歌です。オルゴールは2月13日、最後の卒業生6人に贈られました。企画したのは1958年度(昭和33年度)の卒業生の有志です。

信更中 昭和33年度卒業生・米田功さん:
「さびしい時、悲しい時、苦しかった時にこのオルゴールを聞いていただいて、友達のこと、恩師のこと、思い出して元気になって」

戦後まもない1949年、信田村と更府村の組合立として設立された信更中学校。生徒はピーク時500人ほどいましたが、過疎化で徐々に減っていきました。さらに少子化も進み、閉校が決まった2021年度は20人になっていました。

1、2年生は閉校後を見据えて今年度から6キロほど離れた篠ノ井西中学校へ。在校生は男子4人、女子2人の3年生のみ。全員、小学校からの同級生です。

生徒(2022年10月取材):
「自分が通っていたところなので、なくなっちゃうのはさみしい」

生徒会長(2022年10月取材):
「一緒にいた年数が長いので、お互いのことが分かっていたりとか、信頼している部分が大きいので、(結束は)強いと思います」

2022年10月、保護者や地域住民も集まり、最後の文化祭と閉校記念式典が開かれました。

「閉校」の思い出づくりにバルーンも飛ばしました。

母校の閉校に「何かしたい」と思い立ったのが1958年度(昭和33年度)の卒業生。校歌のオルゴールを最後の卒業生6人に渡すことにしました。

信更中 昭和33年度卒業生・米田功さん:
「(閉校と聞いて)さびしいということが頭に浮かびました。子どもたちに心に残るものをあげられないかと」

♪信更中学校校歌:
「朝風まねく 瀬原が丘に 希望充ち 燃えるひとみ」

60年余りに渡って歌い継がれてきた校歌は、お隣・旧信里村の出身で「管弦楽のための木挽歌」で知られる小山清茂の作曲。作詞は上田市出身の詩人・龍野咲人が手掛けました。後半に入って広がりが感じられるメロディーに、理想を追求する若者を励ます詞が付けられています。

オルゴールを手渡す際には、先輩から後輩へ一人一人にメッセージも贈られました。

信更中 昭和33年度卒業生:
「これから楽しく過ごしてください」
「あなたらしく頑張って」

受け取った生徒たちはー。

生徒:
「閉校してしまうのは悲しいので、このオルゴールを聞いて忘れないようにしたい」
「これからつらいことがあったりした時に聞きたい」

思い出の音色を励ましのオルゴールに…。最後の卒業生6人は3月16日に巣立ち、山あいの学び舎はいったん、その役目を終えます。
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