
東京都内のレストランで腕を振るっていたシェフが長野市中条に移住しました。住民や野菜に魅せられ50歳での移住。道の駅で働きながら「都会と中条のつなぎ役になれたら」と話しています。
道の駅中条で開かれた「第16回 信州むしくらまつり」。4年ぶりの開催ということもあり、にぎわいました。
会場で忙しく働く、道の駅のスタッフ小松英樹さん(52)。
中条の住民:
「12時55分から」
小松英樹さん(52):
「1時間後ね、見に来るから(笑)」
中条の住民:
「来なくていい(笑)」
さすが、道の駅のスタッフ。住民とも親し気で顔も広そうです。ですが小松さん、実は中条に来てまだ半年余りの移住者です。
小松英樹さん(52):
「言っていいのか分からないけど、何もないなって(笑)。でも来てみたら、いろいろある。野菜もあるし、みそもあるし、しょうゆもつくってるし、みんないい人たちだし、何もないことは全然なくて、逆にいっぱいあるんだなっていうのは感じてる」
住民は…
中条の住民:
「おぶっこのおいしさとか、はんてんの暖かさとか、若い人は興味がなくなってきてる感じですけど、(小松さんは)新鮮な目で見ていただいているのが良いかなと思います」
「(移住してから)まだ1年たってないのに、僕よりも知り合いが多いので、やばいなと思ってます(笑)。コミュニケーション能力ですよね。おばちゃんとかもそうだし、良い人来たなと思ってます」
小松さんの移住は、人と農産物が結んだ「縁」によるものでした。
東京・三軒茶屋にあるレストラン。小松さんはここでシェフとして働いていました。人気メニューの一つが「薬膳カレー」。これに、知人から紹介された中条産の「西山大豆」を使っていました。
お年寄りたちが丹精込めて大豆を作っていることを知り、仲間のシェフと中条を表敬訪問。西山大豆を使った、みその「寒仕込み」を体験しました。
小松英樹さん(2018年2月):
「おもしろいです。でも大変ですね、昔ながらの」
交流は続き、おやきづくりにも挑戦。素朴な西山の味を知りました。
小松英樹さん(2018年6月):
「(おやきを包む)あんばいは難しいと思う。薄かったり、厚かったりというのが、もうちょっと極めていきたい」
この後、小松さんたちは三軒茶屋の店に中条の住民を招き、西山大豆のみそを使ったパスタを振る舞いました。
大内眞さん(2018年8月):
「おみそとお豆と麹が入って、本当においしかったです」
交流から4年。小松さんは今、道の駅の近くに家を借りて暮らしています。移住は、シェフとして「農産物の知識を深めたい」との思いからでした。
小松英樹さん(52):
「自分が作ってるもの(料理)の、農産物の元の元を知りたくて。どうやって作ってるのか、どういう気持ちで働いてるのか、どういうことが大変なのかというのを知りたいがために来た」
2022年5月には棚田で田植えを体験。
小松英樹さん(52):
「『栃倉の棚田』って有名な所なので、ここの田植えを手伝って。大変で、ちゃんとやるのが初めてだったんです。農家さんがどんな所で作ってるかも知らなかったから。こういう所で作って、だからおいしいんだろうなって、ちゃんと心込めて作ってくれてるので」
11月10日、みその仕込みから知り合いの大内眞さん(73)。小松さんの移住を喜ぶ住民の一人です。
大内眞さん(73):
「お久しぶり」
小松英樹さん(52):
「本当に眞さんには助けられてる」
大内眞さん(73):
「会ってお話しすると本当うれしい、孫に会ってるみたいで」
小松英樹さん(52):
「こっち来るの楽しみだったから、長い間」
大内眞さん(73):
「もうね、ほんとにうれしい。また、ご自身でどこかお店持てればね」
小松英樹さん(52):
「受け入れてもらえたっていうのはうれしいし、こういう人たちがいたから、僕も来る決意を固めたので。ほんとに温かい人が多いのですごく居心地がいい。穏やかでいられる土地です」
大内眞さん(73):
「都会っ子だし、こっちに住めるかなと思ったんですけど、本当に来てよかった」
小松英樹さん(52):
「俺も良かった」
小松さんに、中条の「お気に入りの場所」を教えてもらいました。
小松英樹さん(52):
「北アルプスがぶわっと絶景が見えます」
標高810メートル。天気の良い日には、北アルプスを一望できる絶景ポイントです。
小松英樹さん(52):
「東京の人みんなに見せてあげたいですね、ここは。静けさが一番いいので、無になれます」
農産物、住民、景色…。中条を知るにつれ、小松さんの中でやってみたいことが変化していきました。
小松英樹さん(52):
「野沢菜もいっぱい出てきたね」
道の駅スタッフ:
「問い合わせも多くなってきてて」
小松英樹さん(52):
「そうだね、これからどんどん増えていくから大変らしい。去年、すごかったらしい」
道の駅で働く小松さん。厨房には立っていません。「移住者だから気づくこともある」と、運営会社の社長から施設の管理を任されています。
小松英樹さん(52):
「地域の人と触れ合うっていう、仲良くなる。地域のことを覚えるために、この仕事をしてるので」
移住して7カ月。小松さんは次第に自身の経験を役立てたいと考えるようになりました。今は「都会と中条をつなぐ」役割を担えればと話します。
小松英樹さん(52):
「空気、景色、村の人たちの人柄とかをみんなにどんどん伝えて(都会との)つながりをもって、どんどん中条が活性化してくれたら、すごく良いなと思うので。みんなもハッピーになるし、僕もハッピーになれるので、それが一番ですかね」
道の駅中条で開かれた「第16回 信州むしくらまつり」。4年ぶりの開催ということもあり、にぎわいました。
会場で忙しく働く、道の駅のスタッフ小松英樹さん(52)。
中条の住民:
「12時55分から」
小松英樹さん(52):
「1時間後ね、見に来るから(笑)」
中条の住民:
「来なくていい(笑)」
さすが、道の駅のスタッフ。住民とも親し気で顔も広そうです。ですが小松さん、実は中条に来てまだ半年余りの移住者です。
小松英樹さん(52):
「言っていいのか分からないけど、何もないなって(笑)。でも来てみたら、いろいろある。野菜もあるし、みそもあるし、しょうゆもつくってるし、みんないい人たちだし、何もないことは全然なくて、逆にいっぱいあるんだなっていうのは感じてる」
住民は…
中条の住民:
「おぶっこのおいしさとか、はんてんの暖かさとか、若い人は興味がなくなってきてる感じですけど、(小松さんは)新鮮な目で見ていただいているのが良いかなと思います」
「(移住してから)まだ1年たってないのに、僕よりも知り合いが多いので、やばいなと思ってます(笑)。コミュニケーション能力ですよね。おばちゃんとかもそうだし、良い人来たなと思ってます」
小松さんの移住は、人と農産物が結んだ「縁」によるものでした。
東京・三軒茶屋にあるレストラン。小松さんはここでシェフとして働いていました。人気メニューの一つが「薬膳カレー」。これに、知人から紹介された中条産の「西山大豆」を使っていました。
お年寄りたちが丹精込めて大豆を作っていることを知り、仲間のシェフと中条を表敬訪問。西山大豆を使った、みその「寒仕込み」を体験しました。
小松英樹さん(2018年2月):
「おもしろいです。でも大変ですね、昔ながらの」
交流は続き、おやきづくりにも挑戦。素朴な西山の味を知りました。
小松英樹さん(2018年6月):
「(おやきを包む)あんばいは難しいと思う。薄かったり、厚かったりというのが、もうちょっと極めていきたい」
この後、小松さんたちは三軒茶屋の店に中条の住民を招き、西山大豆のみそを使ったパスタを振る舞いました。
大内眞さん(2018年8月):
「おみそとお豆と麹が入って、本当においしかったです」
交流から4年。小松さんは今、道の駅の近くに家を借りて暮らしています。移住は、シェフとして「農産物の知識を深めたい」との思いからでした。
小松英樹さん(52):
「自分が作ってるもの(料理)の、農産物の元の元を知りたくて。どうやって作ってるのか、どういう気持ちで働いてるのか、どういうことが大変なのかというのを知りたいがために来た」
2022年5月には棚田で田植えを体験。
小松英樹さん(52):
「『栃倉の棚田』って有名な所なので、ここの田植えを手伝って。大変で、ちゃんとやるのが初めてだったんです。農家さんがどんな所で作ってるかも知らなかったから。こういう所で作って、だからおいしいんだろうなって、ちゃんと心込めて作ってくれてるので」
11月10日、みその仕込みから知り合いの大内眞さん(73)。小松さんの移住を喜ぶ住民の一人です。
大内眞さん(73):
「お久しぶり」
小松英樹さん(52):
「本当に眞さんには助けられてる」
大内眞さん(73):
「会ってお話しすると本当うれしい、孫に会ってるみたいで」
小松英樹さん(52):
「こっち来るの楽しみだったから、長い間」
大内眞さん(73):
「もうね、ほんとにうれしい。また、ご自身でどこかお店持てればね」
小松英樹さん(52):
「受け入れてもらえたっていうのはうれしいし、こういう人たちがいたから、僕も来る決意を固めたので。ほんとに温かい人が多いのですごく居心地がいい。穏やかでいられる土地です」
大内眞さん(73):
「都会っ子だし、こっちに住めるかなと思ったんですけど、本当に来てよかった」
小松英樹さん(52):
「俺も良かった」
小松さんに、中条の「お気に入りの場所」を教えてもらいました。
小松英樹さん(52):
「北アルプスがぶわっと絶景が見えます」
標高810メートル。天気の良い日には、北アルプスを一望できる絶景ポイントです。
小松英樹さん(52):
「東京の人みんなに見せてあげたいですね、ここは。静けさが一番いいので、無になれます」
農産物、住民、景色…。中条を知るにつれ、小松さんの中でやってみたいことが変化していきました。
小松英樹さん(52):
「野沢菜もいっぱい出てきたね」
道の駅スタッフ:
「問い合わせも多くなってきてて」
小松英樹さん(52):
「そうだね、これからどんどん増えていくから大変らしい。去年、すごかったらしい」
道の駅で働く小松さん。厨房には立っていません。「移住者だから気づくこともある」と、運営会社の社長から施設の管理を任されています。
小松英樹さん(52):
「地域の人と触れ合うっていう、仲良くなる。地域のことを覚えるために、この仕事をしてるので」
移住して7カ月。小松さんは次第に自身の経験を役立てたいと考えるようになりました。今は「都会と中条をつなぐ」役割を担えればと話します。
小松英樹さん(52):
「空気、景色、村の人たちの人柄とかをみんなにどんどん伝えて(都会との)つながりをもって、どんどん中条が活性化してくれたら、すごく良いなと思うので。みんなもハッピーになるし、僕もハッピーになれるので、それが一番ですかね」