YouTube X Instagram

「母国に残る家族助けたい」 ウクライナ避難家族が一時帰国へ 信州に来て半年「皆さんに感謝」

長野県高森町に避難していたウクライナの避難家族が来月、一時帰国することになりました。冬を前に、母国に残る家族を助けるため、戻ることを決めました。再び来日するかは決まっていません。

高森町に避難中の家族:
「自分が帰る理由は、ウクライナに帰って夫をいろいろ手伝ってあげたいと思っている」
「ウクライナに体が不自由な母が残っている。せめて冬の間は母を手伝いたい」

ウクライナに残る家族への思いを語る避難家族。高森町に来て半年。28日、一時帰国することを明らかにしました。

2月に始まったウクライナ侵攻。多くの市民が戦闘に巻き込まれました。

4家族9人が戦火を逃れるため来日したのは今年5月。現地に支部を持つ飯田市の「空手道禅道会」が避難を募り、実現しました。

その後、町営住宅に引っ越し。子どもたちも小学校や保育園に通い始めました。

8月にはキッチンカーでピロシキやボルシチなど郷土料理を販売する「仕事」もスタートさせました。

生活が安定していく一方、母国、そして残してきた家族への思いが募ります。7月には故郷・ビンニツァ州が爆撃され多くの犠牲者が出ました。

夫・セルギーさんを残し子ども2人を連れて避難するディナさんは…

ディナさん:
「毎日、夫のことを心配していて、どんどん寂しさが募っています。一日でも早く戦争が終わってほしい、会いたいです」

戦闘終結が見えないものの、帰国したい思いが日に日に強くなっていきました。

会見に先立ち、男の子3人が通った小学校でお別れ会が開かれました。

ダビドくん:
「いろんな工作を作って、一緒に勉強したことを覚えています。全部、ありがとう」

児童:
「いろんな遊びをみんなで一緒にできたのでよかったです」
「ウクライナに行っても頑張ってほしい」

最後に「かるた」などをして思い出をつくる―

ディナさん:
「(町の皆さんは)日本に誘ってくれて、いつも温かく接してくれた。家族のように思うようになりました」

支援してきた禅道会・小沢隆首席師範:
「本当に心配で、率直にいうと反対なんですけど、とにかく安全でいてほしい。中長期の支援が必要だと思われますので、皆さんの協力を賜りたい」

9人は11月5日に帰国の途につきます。再び来日するかは決まっていないということです。
  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース

あなたにおすすめ