
伝統野菜の普及です。長野県喬木村に「志げ子なす」という伝統野菜があります。そのおいしさを広めようと地元の女性3人がグループを結成。販売や情報発信に励んでいます。
大きなナスを収穫しているのは、喬木村の農家・牧内恵さん(50)です。8年前から栽培しているというこちらのナスは…
農家・牧内恵さん:
「伝統野菜の『志げ子なす』です。皮も柔らかくて実もとてもジューシーでおいしい。あくもなくてすぐ調理もしやすくて」
志げ子なすの特徴は先端がとがっていて実が柔らかく、アクが少ないこと。
それにしても一風変わった名前。そもそも「志げ子」とは誰のことなのでしょうか。
昭和30年ごろ喬木村の池田栄一さんが、天龍村からナスの種を譲り受けてきました。仕事で出かけた際に食べたナスが、あまりにおいしかったからだということです。
池田さんは天龍村特産の「ていざなす」だと思い込んで育てましたが、その後、品種が違うことがわかりました。「ていざなす」はアメリカの品種を改良したいわゆる「米なす」。持ち帰ったのは、在来の「長なす」だったのです。
その「長なす」は栄一さんの娘・志げ子さんに受け継がれ半世紀以上、大事に栽培されてきました。その功績が認められ「志げ子なす」と名付けられ、2015年には県から「信州の伝統野菜」に認定されました。
ちなみに、志げ子さんは現在95歳。息子の善治さんによりますと「畑に出向いていたかいがあった。自分の名前が入り、恥ずかしくもうれしい」と話しているそうです。
現在、村ではおよそ50軒の農家が栽培しています。その1軒が冒頭で紹介した牧内さんです。
牧内恵さん:
「一口食べたらとろけるような食感と甘み、うま味がすごくて、なんだこれはという感じでした。志げ子さんは漬物が上手みたいで近所の人たちにも評判で、そこから広まったのでこれは作り続けて広めなきゃいけないなとずっと作っています」
10月17日、飯田市のコンベンションセンターの売店で志げ子なすを販売しました。
牧内恵さん:
「皮が柔らかいので種も柔らかい」
牧内さんには、同じように志げ子なすに魅了された仲間がいます。
1号・牧内恵さん、2号・清水純子さん(48)、3号・小林美和さん(48)、3人合わせて「志げ子なすガールズ」。
2015年から3人で情報発信などに取り組んでいます。同じ農家の清水さんは広報担当です。
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「喬木村の志げ子なすを何とか盛り上げて知名度を上げていきたいということで始めました。もともとナス好きなので飛びつきました」
調理担当は小林さん。村内で出張販売のサンドイッチ専門店を営んでいて、特産のイチゴをメインにしたフルーツサンドが人気です。この時期は焼いた志げ子なすを照り焼きチキンやトマトと一緒に挟んだサンドイッチを販売しています。
焼いた志げ子なすを使った「ボリューミーチキンサンド」680円
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「(志げ子なすは)皮も柔らかいのでうま味がぎゅぎゅという感じで、インパクトもあるしおいしいものを取り入れられてすごくありがたい。そういうものが村にあるのは誇らしいし、うれしいことだと思う」
ナスもサンドイッチも1時間ほどで完売!
飯田市内から:
「柔らかいです、しっとりしています。この日を待ってました、友達を誘ってきました」
高森町から:
「柔らかくておいしい、特にナスのところが。インスタグラムできょう、ここであると分かったので、この時期なので志げ子なすのサンドイッチが食べたくて」
現在、販売先は飯田下伊那の道の駅など10カ所以上に上り、知名度上昇中の志げ子なす。さらに魅力を広めようとガールズは、メニューの情報発信を続けています。
2品、紹介してもらいました。
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「志げ子なすと秋のミョウガを使ってサラダにします。志げ子なすはアクが少ないので生でいけます」
一品目は「志げ子なすとミョウガのサラダ」。ミョウガを細かく刻み、水にさらし、志げ子なすは薄切りに。水気を切ったミョウガとナス、ごま油でいったジャコ、顆粒のコンブ茶を混ぜたら完成です。
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「ちょうどいい歯応えで味もよく絡んで、ナスのおいしさもありながら食感も楽しめてすごくおいしい」
続いてはなんと「志げ子なす」を使ったデザート。火を通してバターとグラニュー糖で味付けした一口大の志げ子なすを、板チョコと一緒にパイ生地で包んでオーブンへ。200度で20分ほど焼いたら志げ子なすを使ったチョコパイの完成です。
記者が試食―
(記者リポート)
「とてもナスがしっとりとしていて、チョコの甘さとなすも非常に甘くて、新感覚のスイーツです」
1軒の農家で大切に栽培されてきた伝統野菜。時を経て今、新たな形で受け継がれ、広がりを見せています。
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「とにかくこのおいしさを知ってもらう人を1人でも多くというところで、志げ子なすのファンの方をどんどん増やす活動をしたい」
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「ガールズというのがだいぶいたくなってきましたが、それを逆に売りにしてこれからやっていきたい。1号(牧内さん)が志げ子なすを作り続ける限り、喬木村に生産者さんがいる限り、一緒にやっていきたい」
志げ子なすガールズ・牧内恵さん:
「伝統野菜のナス、南信州のていざなすや鈴ヶ沢なす、そして志げ子なす。3大なすで盛り上げていければ、なおいいかな」
大きなナスを収穫しているのは、喬木村の農家・牧内恵さん(50)です。8年前から栽培しているというこちらのナスは…
農家・牧内恵さん:
「伝統野菜の『志げ子なす』です。皮も柔らかくて実もとてもジューシーでおいしい。あくもなくてすぐ調理もしやすくて」
志げ子なすの特徴は先端がとがっていて実が柔らかく、アクが少ないこと。
それにしても一風変わった名前。そもそも「志げ子」とは誰のことなのでしょうか。
昭和30年ごろ喬木村の池田栄一さんが、天龍村からナスの種を譲り受けてきました。仕事で出かけた際に食べたナスが、あまりにおいしかったからだということです。
池田さんは天龍村特産の「ていざなす」だと思い込んで育てましたが、その後、品種が違うことがわかりました。「ていざなす」はアメリカの品種を改良したいわゆる「米なす」。持ち帰ったのは、在来の「長なす」だったのです。
その「長なす」は栄一さんの娘・志げ子さんに受け継がれ半世紀以上、大事に栽培されてきました。その功績が認められ「志げ子なす」と名付けられ、2015年には県から「信州の伝統野菜」に認定されました。
ちなみに、志げ子さんは現在95歳。息子の善治さんによりますと「畑に出向いていたかいがあった。自分の名前が入り、恥ずかしくもうれしい」と話しているそうです。
現在、村ではおよそ50軒の農家が栽培しています。その1軒が冒頭で紹介した牧内さんです。
牧内恵さん:
「一口食べたらとろけるような食感と甘み、うま味がすごくて、なんだこれはという感じでした。志げ子さんは漬物が上手みたいで近所の人たちにも評判で、そこから広まったのでこれは作り続けて広めなきゃいけないなとずっと作っています」
10月17日、飯田市のコンベンションセンターの売店で志げ子なすを販売しました。
牧内恵さん:
「皮が柔らかいので種も柔らかい」
牧内さんには、同じように志げ子なすに魅了された仲間がいます。
1号・牧内恵さん、2号・清水純子さん(48)、3号・小林美和さん(48)、3人合わせて「志げ子なすガールズ」。
2015年から3人で情報発信などに取り組んでいます。同じ農家の清水さんは広報担当です。
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「喬木村の志げ子なすを何とか盛り上げて知名度を上げていきたいということで始めました。もともとナス好きなので飛びつきました」
調理担当は小林さん。村内で出張販売のサンドイッチ専門店を営んでいて、特産のイチゴをメインにしたフルーツサンドが人気です。この時期は焼いた志げ子なすを照り焼きチキンやトマトと一緒に挟んだサンドイッチを販売しています。
焼いた志げ子なすを使った「ボリューミーチキンサンド」680円
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「(志げ子なすは)皮も柔らかいのでうま味がぎゅぎゅという感じで、インパクトもあるしおいしいものを取り入れられてすごくありがたい。そういうものが村にあるのは誇らしいし、うれしいことだと思う」
ナスもサンドイッチも1時間ほどで完売!
飯田市内から:
「柔らかいです、しっとりしています。この日を待ってました、友達を誘ってきました」
高森町から:
「柔らかくておいしい、特にナスのところが。インスタグラムできょう、ここであると分かったので、この時期なので志げ子なすのサンドイッチが食べたくて」
現在、販売先は飯田下伊那の道の駅など10カ所以上に上り、知名度上昇中の志げ子なす。さらに魅力を広めようとガールズは、メニューの情報発信を続けています。
2品、紹介してもらいました。
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「志げ子なすと秋のミョウガを使ってサラダにします。志げ子なすはアクが少ないので生でいけます」
一品目は「志げ子なすとミョウガのサラダ」。ミョウガを細かく刻み、水にさらし、志げ子なすは薄切りに。水気を切ったミョウガとナス、ごま油でいったジャコ、顆粒のコンブ茶を混ぜたら完成です。
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「ちょうどいい歯応えで味もよく絡んで、ナスのおいしさもありながら食感も楽しめてすごくおいしい」
続いてはなんと「志げ子なす」を使ったデザート。火を通してバターとグラニュー糖で味付けした一口大の志げ子なすを、板チョコと一緒にパイ生地で包んでオーブンへ。200度で20分ほど焼いたら志げ子なすを使ったチョコパイの完成です。
記者が試食―
(記者リポート)
「とてもナスがしっとりとしていて、チョコの甘さとなすも非常に甘くて、新感覚のスイーツです」
1軒の農家で大切に栽培されてきた伝統野菜。時を経て今、新たな形で受け継がれ、広がりを見せています。
志げ子なすガールズ・小林美和さん:
「とにかくこのおいしさを知ってもらう人を1人でも多くというところで、志げ子なすのファンの方をどんどん増やす活動をしたい」
志げ子なすガールズ・清水純子さん:
「ガールズというのがだいぶいたくなってきましたが、それを逆に売りにしてこれからやっていきたい。1号(牧内さん)が志げ子なすを作り続ける限り、喬木村に生産者さんがいる限り、一緒にやっていきたい」
志げ子なすガールズ・牧内恵さん:
「伝統野菜のナス、南信州のていざなすや鈴ヶ沢なす、そして志げ子なす。3大なすで盛り上げていければ、なおいいかな」