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祖父母との思い出の地「いつか戸隠で…」 25歳女性オーナーの挑戦 コロナ禍にレストラン開店

若者の挑戦です。長野市街地に7月、フレンチのレストランがオープンしました。オーナーは25歳の女性。いずれは祖父母との思い出の地・戸隠に店を開きたいと奮闘しています。

長野市問御所町に2022年7月にオープンした「Dining Iris(ダイニング アイリス)」。野菜たっぷりのフランス料理を提供しています。

「旬菜のロースト」ラージサイズ 1500円

市内から:
「インスタグラムで見つけて、気になって来ました」
「普段そんなに野菜は食べないので、しっかり野菜取れて健康的でいいなと。おいしかったです」

オーナーは都内出身の望月栞さん25歳。コロナ禍、新たな一歩を踏み出しました。

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「飲食店にとって一番のどん底から始めるからこそ、この先上がっていくことしかないかなと思って。なので、迷うことはあまりなかった」

望月さんが挑戦の場所に長野を選んだのには訳があります。立川市出身の望月さん。中学校の吹奏楽部でクラリネットを始め、音楽の教師を目指して国立音大に進みました。

しかし…

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「教育実習に行ったときに音楽の授業もやったり、吹奏楽部に教えたり、楽しかったんですけど、職員室の事務作業であったり、裏方の部分は私にはできないかもしれないと」

理想と現実のギャップ…。教師をあきらめ、2019年に高校時代からアルバイトをしていたイタリア料理店の運営会社に就職しました。好きだった接客の仕事に打ち込みますが、翌年、新型コロナの影響が直撃。時短営業などが続きました。

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「楽しかったですけど、このままでいいのかなとか、今やりたいことはなんだろうなとすごく考えるようになって」

将来に考えを巡らしていたころ、転機が訪れます。

案内してくれたのは、長野市戸隠にある祖父母が暮らしていた別荘です。ある日、家族の中で、この別荘を処分する話が持ち上がりました。週末になると趣味の畑仕事をしに都内から訪れていた祖父母。望月さんも小さい頃、よく遊びに訪れていました。

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「この辺でバーベキューしたり、冬はスキー場に行かなくても十分ここが遊び場になっていたので、ソリ滑りしたり」

2011年に祖母・フサ江さんが亡くなり、祖父・博治さんも2022年5月に亡くなるまで長く体調を崩していたため、建物も畑も10年ほど放置されていました。

望月さんはある決断をします。

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「小さい頃から遊びに行っていたのですごく好きでしたし、すてきな土地にせっかくあるのにと思ってしまって『じゃあ私がレストランやる』って。おじいちゃんが亡くなるときに直接『戸隠は任せてね』と伝えることができて、孫や子どもたちのために頑張って畑やったりとか、いろいろしてきてくれた所なので、その土地を私が今度は継いで…」

望月さんは2022年3月に会社を辞め、独立。戸隠での開業は建物や畑の整備に時間がかかることから「第一歩」として市街地に店を開くことにしました。

金融機関から資金を借り、望月さんは、考えに賛同してくれた仲間2人と店を立ち上げました。3人とも20代です。

シェフ・藤元裕希さん(29):
「食材が身近にある環境で料理したいなと思い始めて、長野でやると聞いたときにはワクワクした」

店長・黒木遼太郎さん(27):
「面白そうだなと思ったので、一緒にやりたいなと」

店のこだわりは野菜。多品種栽培に力をいれる安曇野市の農園から、一般にはあまり流通していない「西洋野菜」を仕入れています。

バターナッツ(南アメリカ大陸原産)、プッチィーニ(西洋カボチャ)…

シェフ・藤元裕希さん:
「どういう料理食べても野菜を食べていると感じてもらえる料理に」

日替わりのランチメニューも皿の半分以上が野菜です。

日替わりランチ1000円―

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「もともと(戸隠で)畑をやりたいというのがあったので、野菜を中心にした料理をメインに」

Dining Irisオーナー・望月栞さん(接客):
「Aランチでございます。旬魚のフリットです。秋鮭を使用していてゼブラナスと一緒に揚げてあります」

オープンから2カ月。口コミやSNSで徐々に評判となり、客足も伸びています。

客:
「(野菜が)カラフルで、食感もしっかりあって、なかなかこういうふうには作れない。おいしいです」
「一食でこんなに(野菜を)食べることないので、おいしいし、満足感ある」

若い仲間とチャレンジを始めた望月さん。いずれ祖父母との思い出の地・戸隠に店と畑をつくるつもりです。

Dining Irisオーナー・望月栞さん:
「あの場所で、より多くの人に野菜のおいしさであったりとか、日本の食や文化の素晴らしさを伝えていけたらいいなと。この土地、この場所を昔みたいにきれいに戻して、おじいちゃんおばあちゃんがつくり上げてきた場所をもっと感じてもらえるように頑張りたい」
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