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“信州サーモン愛”夫婦 念願の店開く 夫は養殖、妻が調理 地元でも魅力広める

特集は信州サーモンに魅せられた夫婦の続編です。夫は養殖、妻は加工品の販売で信州サーモンの魅力を広めてきましたが、このほど、念願の実店舗をオープンさせ、ますます販売に力を入れています。

トマトを器にした「リピエーニ」。イタリア版の南蛮漬け「スカペーチェ」。いずれも県産のブランド魚「信州サーモン」を生かした料理です。販売しているのは安曇野市穂高にこの7月にオープンしたテイクアウト専門の総菜店「cibo・cibo(チーボ・チーボ)」。

店主は佐藤美絵さん(42)です。

cibo・cibo・佐藤美絵さん(42):
「バタバタと毎日が過ぎていく感じで。でも誰かが買いに来てくれる、うちの味を知ってくれるというのはコツコツですけど、ありがたい」

夫・英二さん(51):
「(出荷用の)2キロ以上の魚と傷が入ってないかを調べながら選別してる」

メインの食材・信州サーモンは夫・英二さんが養殖したもの。

夫婦で信州サーモンの魅力を広めています。

二人が安曇野市に越してきたのは9年前。英二さんが信州サーモンの養殖を仕事にしたからでした。

英二さんは元料理人で、アメリカやイタリア、そして軽井沢のレストランで腕を振るってきましたが…。

夫・英二さん:
「アメリカでもイタリアでもとにかく食材を大切に扱っている。地場産の食材を扱っていて、生産者とのつながりがすごい強い。生産者の存在が身近でなければならないと思った」

生産者と料理人の距離感が大事だと気付いた英二さん。信州サーモンの可能性にひかれていたこともあり、思い切って養殖の仕事を始めました。

すると…

夫・英二さん:
「本当に面白すぎてやめられなくなっちゃいました。自分の子どものように大切に育ててあげたものを出荷するのも寂しい気持ちもあるけど、その先で喜んでいただけるお客さまがいれば、やって良かったな」

夫が生産者になると、妻の美絵さんが料理人に。

妻・美絵さん:
「私は料理を基礎から学んだ人間ではないので、やっぱり分からないことだらけなんですよね。一歩一歩、ちょっとずつの試行錯誤をやりました」

英二さんのアドバイスの下、去年2月からパテやリエットのオンライン販売を始めその後、地元の店舗にも置いてもらうようになりました。

そして、この夏、自宅のスペースを活用して「cibo・cibo」をオープンさせました。

夫・英二さん:
「自分たちのお店を持ちたいというのが夢でいろいろ模索していたところ、信州サーモンを作って周りの声を聞くと、食べたことがない人たちが結構いた。だったら自分たちで作って一人でも多くの人に食べてもらえたら(信州サーモンを)作ってるかいもあるなと」

妻・美絵さん:
「オンラインとか委託販売だと結局、誰が買ったのか、どういう気持ちで買ったのか、どういう表情で買ったのかが全く見えないから、どんな人がどんな思いで買ったかを肌で感じることが一番大事かな」

この日、作っていたのはトマトのリピエーニ。信州サーモンなどを使ったリゾットをトマトの器に詰めます。

妻・美絵さん:
「おすすめの食べ方は、カルパッチョやお刺身とか生を推奨してくるけど実際、魚だから加熱していい。信州サーモンのふり幅をいっぱいできるんだよと伝えていけたらいいな」

『トマトのリピエーニ 1個580円』

店はテイクアウト専門。グラタンやスカペーチェなど季節の食材も使った10種類以上の総菜が並びます。オープンしてまだ1カ月半ほどですが口コミもあり、じわじわ客が増えています。

60代女性(安曇野市内から):
「頑張ってほしいですね。地産地消じゃないけど地のものを、結構、地元の人でも知らないことが多い。こうやって料理してみんなに提供してくれてるのはうれしい」

50代女性(安曇野市内から):
「私たちも勉強になるし、おいしくいただいて地域の活性化につながれば」

アメリカのバイデン大統領が来日した際に食べたことや、高騰する輸入サーモンの代替品となっていることで注目度が高まっている信州サーモン。生産者と料理人の夫婦が、その魅力をもっと広めようとしています。

夫・英二さん:
「ちょっとでもお客さんに喜んでもらえるような魚を作って、料理してお客さんの喜ぶ顔が見たいのが今の正直なところ」

妻・美絵さん:
「お客さんが食べてうれしそうにしている姿を想像すると、さらに頑張らねばと思います。『cibo・ciboで食べる信州サーモンを使った料理おいしいよね』イコール『信州サーモンおいしいよね』と、どんどん信州サーモン自体が広がっていけば」
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