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どうなる?「御岳ロープウェイ」 噴火・コロナ禍…財政悪化で運営会社撤退へ 「観光の柱」町が存続模索 

長野県木曽町の「御岳ロープウェイ」は、御嶽山の5合目から7合目を結んでいて、多くの観光客・登山者に利用されてきました。しかし、財政事情の悪化で、運営していた会社がこのほど撤退を発表しました。2014年の噴火災害、コロナ禍からの立ち直りを目指す木曽町は、存続に向けて動き出しています。

33年間、多く人に利用されてきた「御岳ロープウェイ」。今、存続の危機に直面しています。

2011年から指定管理者として運営してきた「アスモグループ」が、シーズン終了の11月で事業から撤退すると発表したのです。

アスモグループ・小原弘明営業課長:
「やっぱり財政難です。御嶽山の噴火から、新型コロナウイルスが始まり、今年の2月には噴火警戒レベルが2に引き上げになりましたし、そうしている間にウクライナ侵攻が始まって、物価高や燃料高が始まってしまったと」
(※9月6日現在の噴火警戒レベルは1)

利用者は2014年の御嶽山噴火以降、大幅に減少。その後もコロナ禍で伸び悩み、厳しい状況が続いていました。

アスモグループ・小原弘明営業課長:
「ずっと続けられなかったことに対して、申し訳ないと思うところと、確実に動くのは今年の11月までということで、もう一度来ていただけたらうれしいと思います」

御嶽山登山の支えてきた「ロープウェイ」。初心者でも6時間ほどで山頂への往復ができていましたが、ロープウェイがないと8時間はかかり登山者の足がさらに遠のくことが懸念されます。

観光客:
「いやー、厳しいでしょ。ここまでロープウェイなしで登るっていうのは」

ロープウェイの山頂駅からほど近い山小屋「行場山荘」を営む田ノ上徳延さんも気をもんでいます。

行場山荘・田ノ上徳延さん:
「やっぱり不安です。ロープウェイが動かないってことになると、(客が)また半減。町の方に、新しい運営会社が見つかるようお願いしていこうと思っています」

今後、他の山小屋と協力し、町に存続を求めていくとしています。

施設を所有する木曽町は…

木曽町・原久仁男町長:
「なくなるということは、地域経済にとっても大きな影響があるんじゃないかと思っています」

町は撤退表明を受けて「指定管理者」と「無償譲渡」の両面で事業者を11月まで公募しています。

同様にアスモグループが撤退する開田高原マイアスキー場についても公募しましたが、こちらは無償譲渡を希望する企業がありました。

厳しい状況が続くだけに、これ以上、観光振興の柱を失う訳にはいかないというのが町の立場です。

木曽町・原久仁男町長:
「来春までには指定管理なり、譲渡なり、やっていただける事業者が出ていただくことを期待してます。町としてもいろんな方面に働きかけをしながら、継続的に営業ができる形にしていきたい」
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長野放送ニュース

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