
人気ダンス&ボーカルグループで活動していた女性が、長野県小諸市で農業に励み「マルシェ」も開くなど活動の幅を広げています。芸能界から農業へ。27歳の挑戦を取材しました。
「農作業日和ですね。ちょっと暑いですけど…」
青空の下、農作業にいそしむ武藤千春さん。東京都出身の27歳です。ユニフォームはハットに、色鮮やかな「つなぎ」。
カメラマン:
「スタイルもバッチリですね」
武藤千春さん:
「服装からいい感じにして、気分を上げてこうと」
カメラマン:
「外から入るタイプですね」
武藤千春さん:
「外から入るタイプです」
小諸市内におよそ10アールの畑を借り野菜作りを始めて2年目。耕運機の扱いも慣れたものです。
そんな武藤さん、実は…
2014年まで、人気ダンス&ボーカルグループで活動。卒業してからはアパレルブランドの代表を務めています。
華やかな世界に身をおいてきた武藤さん。どうして小諸で農業を始めたのでしょうか。
武藤千春さん:
「もともと祖母が一人で小諸に移住したいというところから始まって、来てみると気候もちょうどよく、自然も豊かだけど城下町なので店もたくさん。景色も良く、老後、こういう生活をしたいと思っていたものが、今でもできるかもと思えた町」
親戚が佐久地域にいて信州と縁があった武藤さん。小諸の良さにひかれ、2019年の暮れから東京との二拠点生活を始めます。
しかし、すぐ後、新型コロナの影響で頻繁な往来は難しくなりました。
武藤千春さん:
「(コロナ禍で)時間がたっぷりできて、こっちに友達もいなくて何しよう、暇だなと思っていた時に畑と出合って、そしたらはまっちゃって。ゼロからイチをつくる面白さを感じて、もともと音楽や洋服を作るなど物作りが好きで、それに近いものがある」
コロナがきっかけで農業を始めた武藤さん。動画投稿サイトなどで得た知識をもとに野菜を作り始めると…
武藤千春さん:
「この身なりで1人で作業をしていると『何作ってるの?』と声をかけられることが多くて、『こうした方がいいよ』って通りすがりのおじちゃんが教えてくれたり、ありがたいです」
普段はほとんど1人で農作業―
武藤千春さん:
「引っ張って、こういう感じで」
アナウンサー:
「手も足も使い?」
武藤千春さん:
「ちょっとずつやっていかないと、1人作業だと奇麗に張れない」
苗を守るマルチシートを張る…
武藤千春さん:
「できました。去年は全然ピンと張れなくて、途中で風でぴらぴらなっちゃったり。ようやくピンと張る『マルチ』の張り方を覚えました。トマトを植えます。トマトはあまり食べなかったけど、去年自分で作ってから食べるように。味が気になりますね。実がなって最初の頃と後半では少し味が違ったり。販売するときも『おいしいよ』ってお渡ししたいので、ちゃんとおいしいものを作れるよう頑張っています」
アナウンサー:
「きれいに植えましたね」
武藤千春さん:
「だいぶ上達しました」
この日はナスやトマトなどの苗を植える―
農作業に親しんでいく内に、武藤さんの中で次のステップへと進む意欲が芽生え始めます。
武藤千春さん:
「『農業』は東京にいた頃、自分の生活とはかけ離れたものというイメージ。大変そうで体力勝負で…。でもいざ自分でやってみると自分に合わせたやり方でデザインできて、野菜を作るだけでなく、作った野菜を届けることも一つの「農」との携わり方。暮らしの中心に『農』を置いてみると、自分の毎日が豊かに、彩り豊かになると伝えるため、『農業』という言葉でなく、『農ライフ』という言葉を伝えたい」
暮らしにもっと「農業」を…。
武藤さんはこれを「農ライフ」と呼び、農ライフブランド「ASAMAYA」を立ち上げました。賛同者を募り、農産物の販売の他フードロスの削減、農業を通した地域の魅力発信に取り組んでいます。
5月4日、小諸駅前―
「ありがとうございます」
市民が集うマルシェも「農ライフ」。小諸駅前の広場に20軒を超える農家や飲食店が出店し、大型連休中ということもあってにぎわっていました。
訪れた人:
「フラワーベースを買いました。かわいい、飾りたくって。木の形が気に入りました」
「タラの芽を(購入)。天ぷらにして食べるのが好きなので買いました」
会場には小諸市長の姿も。市は武藤さんを「農ライフアンバサダー」に任命しています。
小諸市・小泉俊博市長:
「若いのに活動的。考えたことはすぐ実行される方で驚いている。小諸の魅力をどんどん深堀り、広げ、いいところを見つけてもらいたい」
一方、主催者の武藤さんは大忙し。
武藤千春さん:
「規格外なので、それをスライスしてピクルスに…」
訪れた人:
「それ、いただきます」
武藤千春さん:
「にぎやかにいろいろな方に来てもらって、ホッとしています。小諸に来たらこのお店に行ってみようと、新しい出会いの場になれば」
出展者は…
宮嶋林檎園:
「若い世代が、目を引く人たちが農業を盛り上げてくれたら、これから先、農業も明るくなる。うれしいです」
農業に可能性を見出した武藤さん。2年目の今年は耕作放棄地を利用し、ワイン用ブドウの栽培もスタートさせます。数年後にはワイン造りも農ライフの一つになっているかもしれません。
武藤千春さん:
「好き嫌いや興味があること、ないことがはっきりしているので、そもそも悩まない。10人いれば10通りの『農ライフ』があって、自分が心地よい形を模索していけるのが『農ライフ』のいいところ。特に若い世代や都市部にいる世代こそ、農村に来て畑に入ってみると、実はこんなにクリエイティブでイケてると、きっと気がつける。一緒に『農ライフ』を楽しめる仲間が全国に広がっていくといいな」
「農作業日和ですね。ちょっと暑いですけど…」
青空の下、農作業にいそしむ武藤千春さん。東京都出身の27歳です。ユニフォームはハットに、色鮮やかな「つなぎ」。
カメラマン:
「スタイルもバッチリですね」
武藤千春さん:
「服装からいい感じにして、気分を上げてこうと」
カメラマン:
「外から入るタイプですね」
武藤千春さん:
「外から入るタイプです」
小諸市内におよそ10アールの畑を借り野菜作りを始めて2年目。耕運機の扱いも慣れたものです。
そんな武藤さん、実は…
2014年まで、人気ダンス&ボーカルグループで活動。卒業してからはアパレルブランドの代表を務めています。
華やかな世界に身をおいてきた武藤さん。どうして小諸で農業を始めたのでしょうか。
武藤千春さん:
「もともと祖母が一人で小諸に移住したいというところから始まって、来てみると気候もちょうどよく、自然も豊かだけど城下町なので店もたくさん。景色も良く、老後、こういう生活をしたいと思っていたものが、今でもできるかもと思えた町」
親戚が佐久地域にいて信州と縁があった武藤さん。小諸の良さにひかれ、2019年の暮れから東京との二拠点生活を始めます。
しかし、すぐ後、新型コロナの影響で頻繁な往来は難しくなりました。
武藤千春さん:
「(コロナ禍で)時間がたっぷりできて、こっちに友達もいなくて何しよう、暇だなと思っていた時に畑と出合って、そしたらはまっちゃって。ゼロからイチをつくる面白さを感じて、もともと音楽や洋服を作るなど物作りが好きで、それに近いものがある」
コロナがきっかけで農業を始めた武藤さん。動画投稿サイトなどで得た知識をもとに野菜を作り始めると…
武藤千春さん:
「この身なりで1人で作業をしていると『何作ってるの?』と声をかけられることが多くて、『こうした方がいいよ』って通りすがりのおじちゃんが教えてくれたり、ありがたいです」
普段はほとんど1人で農作業―
武藤千春さん:
「引っ張って、こういう感じで」
アナウンサー:
「手も足も使い?」
武藤千春さん:
「ちょっとずつやっていかないと、1人作業だと奇麗に張れない」
苗を守るマルチシートを張る…
武藤千春さん:
「できました。去年は全然ピンと張れなくて、途中で風でぴらぴらなっちゃったり。ようやくピンと張る『マルチ』の張り方を覚えました。トマトを植えます。トマトはあまり食べなかったけど、去年自分で作ってから食べるように。味が気になりますね。実がなって最初の頃と後半では少し味が違ったり。販売するときも『おいしいよ』ってお渡ししたいので、ちゃんとおいしいものを作れるよう頑張っています」
アナウンサー:
「きれいに植えましたね」
武藤千春さん:
「だいぶ上達しました」
この日はナスやトマトなどの苗を植える―
農作業に親しんでいく内に、武藤さんの中で次のステップへと進む意欲が芽生え始めます。
武藤千春さん:
「『農業』は東京にいた頃、自分の生活とはかけ離れたものというイメージ。大変そうで体力勝負で…。でもいざ自分でやってみると自分に合わせたやり方でデザインできて、野菜を作るだけでなく、作った野菜を届けることも一つの「農」との携わり方。暮らしの中心に『農』を置いてみると、自分の毎日が豊かに、彩り豊かになると伝えるため、『農業』という言葉でなく、『農ライフ』という言葉を伝えたい」
暮らしにもっと「農業」を…。
武藤さんはこれを「農ライフ」と呼び、農ライフブランド「ASAMAYA」を立ち上げました。賛同者を募り、農産物の販売の他フードロスの削減、農業を通した地域の魅力発信に取り組んでいます。
5月4日、小諸駅前―
「ありがとうございます」
市民が集うマルシェも「農ライフ」。小諸駅前の広場に20軒を超える農家や飲食店が出店し、大型連休中ということもあってにぎわっていました。
訪れた人:
「フラワーベースを買いました。かわいい、飾りたくって。木の形が気に入りました」
「タラの芽を(購入)。天ぷらにして食べるのが好きなので買いました」
会場には小諸市長の姿も。市は武藤さんを「農ライフアンバサダー」に任命しています。
小諸市・小泉俊博市長:
「若いのに活動的。考えたことはすぐ実行される方で驚いている。小諸の魅力をどんどん深堀り、広げ、いいところを見つけてもらいたい」
一方、主催者の武藤さんは大忙し。
武藤千春さん:
「規格外なので、それをスライスしてピクルスに…」
訪れた人:
「それ、いただきます」
武藤千春さん:
「にぎやかにいろいろな方に来てもらって、ホッとしています。小諸に来たらこのお店に行ってみようと、新しい出会いの場になれば」
出展者は…
宮嶋林檎園:
「若い世代が、目を引く人たちが農業を盛り上げてくれたら、これから先、農業も明るくなる。うれしいです」
農業に可能性を見出した武藤さん。2年目の今年は耕作放棄地を利用し、ワイン用ブドウの栽培もスタートさせます。数年後にはワイン造りも農ライフの一つになっているかもしれません。
武藤千春さん:
「好き嫌いや興味があること、ないことがはっきりしているので、そもそも悩まない。10人いれば10通りの『農ライフ』があって、自分が心地よい形を模索していけるのが『農ライフ』のいいところ。特に若い世代や都市部にいる世代こそ、農村に来て畑に入ってみると、実はこんなにクリエイティブでイケてると、きっと気がつける。一緒に『農ライフ』を楽しめる仲間が全国に広がっていくといいな」