
一区切りとなった「早春賦まつり」
安曇野の遅い春を歌った大正時代の唱歌を歌う長野県安曇野市の「早春賦まつり」が、関係者の高齢化などで一区切りとなり、4月29日は出演者と訪れた人が声を合わせて別れを惜しみました。
♪春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど 時にあらずと声もたてず
時にあらずと声もたてず
1913(大正2)年に発表された「早春賦」(作詞:吉丸一昌、作曲:中田章)。安曇野の春の始まりを歌ったとされる唱歌です。格調高い歌詞と叙情豊かなメロディーで100年以上に渡って親しまれて来ました。
歌詞の冒頭部分を思わせる寒い風が吹く中、4月29に43回目の「早春賦まつり」が安曇野市で開かれました。
まつりは、地元ゆかりの唱歌を歌い継ごうと1981(昭和56)年に始まり、大型連休の初日となることが多い4月29日に、穂高川の歌碑の前で地元のコーラスグループや小学生の歌声が披露されて来ました。
しかし、運営にあたる住民や出演者が高齢化したのをはじめ、学校の働き方改革で従来のように学校単位で児童が参加しづらくなったことなどから、2026年で一旦休止することになりました。
実行委員長の中田光男さん:
「良くこんなに続いてきたなという思いと、約半世紀続いてきたものを一区切りということは苦渋の思いはあります」
長年、出演してきたコーラスグループのメンバー:
「自分の人生っていう感じですね。やっぱり長い冬を過ぎて春が来たっていう、そういう感じの歌ですよね」
「きょうは一生懸命歌いました、楽しんで歌いました」
演奏を披露した安曇野市出身のアルパ奏者・上松美香さんも、中学生の頃からまつりに参加してきました。
上松美香さん:
「音楽家として育ててもらった曲だなと思います。この曲を演奏すると初心にかえって故郷をいつも思い出していたので」
最後は、出演者と観客が声を合わせ、あらためて「早春賦」を歌いました。
♪春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる 胸の思いを いかにせよとの この頃か いかにせよとの この頃か
訪れた人:
「この風景に合っていますよね。心が穏やかになります」
関係者の間には形を変えて続けたいという声もあり、数年以内の再出発を目指すということです。

