YouTube X Instagram

「きれいに畳んでくれてありがとう」にやりがい感じる 障害者の働く場を 老人ホームから出るシーツなどを洗濯する施設が誕生 長野の法人が雇用促進

洗濯施設「え~る」

老人ホームなどを運営する長野県伊那市の社会福祉法人が、障害者の働く場にしようと、各施設から出るシーツなどを洗濯する新しい施設をつくりました。すでに働いている職員はやりがいを感じていて、さらに障害者の雇用を進めたいとしています。

洗濯施設「え~る」

長野県南箕輪村に2025年10月にオープンした洗濯施設「え~る」。上伊那地域で老人ホームなど10の施設を運営する社会福祉法人「上伊那福祉協会」が運営していて、各施設のシーツや枕カバーなどリネン類の洗濯を担っています。

作業所で丁寧にシーツをたたむのは「え~る」の24歳の女性職員。

宮崎さん:
「(シーツの端を)そろえて動かさないように」

女性職員には知的障害があり、10月から働いていて、この仕事にやりがいを感じています。

女性職員:
「きれいに畳んでくれてありがとうと言われるとうれしい」

「え~る」は、協会が障害のある人たちの働く場をつくろうとオープンさせました。

上伊那福祉協会障がい者支援室・宮崎克洋室長:
「障がい者雇用、一般就労という道も狭いので、そういった方を協会の職員として雇用し、一緒に働いて共生社会の実現に」

協会はこれまでも、運営する施設で障害者雇用を進めてきましたが、業務が複雑で、多くの人数を雇えないなどの課題がありました。

そうした中で目を付けたのがリネン類の洗濯です。これまで外部委託してきましたが、覚えやすい作業が多いことから、法人内に専用の施設をつくることにしました。

施設には、1度に30キロ以上が洗濯できる業務用の洗濯機と乾燥機を2台ずつ備え、洗濯物を畳む大きな作業台も整備しました。現在は、毎日、約300人分のリネン類の洗濯を行っています。

各配送先ごとに洗濯物を入れる袋の色を分けるなど、作業をわかりやすくする工夫もしています。

女性職員:
「もっとちょっときれいに畳みたい。しっかり働いて、頑張りたい」

出来上がった洗濯物は、自分たちで配達に。

研修でシーツをたたむ

障害のある職員はまだこの女性職員1人ですが、協会では雇用を増やそうと研修も受け入れています。

2日も駒ヶ根市の男性が研修で訪れていました。

研修に来た男性:
「周りのサポートを受けながら、自分の成長にもつながる。やってよかった」

上伊那福祉協会障がい者支援室・宮崎克洋室長:
「障害のある方が、毎日楽しく元気に働いていただく施設を目指すとともに、できる部分を伸ばす、できない部分をサポートして、よりできるようにしていく。共生社会の実現、地域の皆さまの支えと共に(施設が)軌道に乗って稼働できれば」

  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース