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車ではねて生きたまま山林に男性を遺棄 「殺人罪」認定 34歳男に「懲役12年」実刑判決 裁判長「未必の故意があった」

佐藤英伸被告

2023年、長野県佐久市で男性を車ではね、山の中に遺棄して殺害した罪に問われている男の裁判で、長野地方裁判所は、殺人罪が成立すると認定し、懲役12年の実刑判決を言い渡しました。

殺人とひき逃げなどの罪に問われていたのは佐久市の佐藤英伸被告(34)です。

起訴状などによりますと、2023年12月、佐久市の県道で近くに住む男性(当時85歳)を運転していた車ではね、その後、男性を車に乗せて約30キロ離れた長和町の山林に遺棄して、多発性外傷と低体温症により死亡させ、殺害したとされています。

裁判の争点は「殺人罪が成立するか」。

検察側は「被害者が生存していて、救命の可能性があることを認識していたのは明らか」などとして懲役15年を求刑。

一方、弁護側は「遺棄した時点で被害者は死亡していて死体遺棄の罪が成立する」と述べ、「冷静で公平な量刑」を求めていました。

迎えた30日の判決公判。坂田正史裁判長は「被害者が死亡するかもしれないが、事故の発覚を防ぐためにはやむを得ないという認識でいた」とし、殺人罪について「未必の故意」があったと認定しました。

一方で、被告が謝罪し、反省の態度を示していることなどを考慮し、懲役15年の求刑に対し、懲役12年の実刑判決を言い渡しました。

裁判後、弁護人はー。

弁護人:
「(殺人罪の認定は)やむを得なかったのかな。(判決後)被告と話して『事件対応について客観的に判断してもらったのでは』と」

弁護人によりますと、被告は判決を受け入れていて控訴はしないとしています。


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長野放送ニュース