■8人が嘔吐、頭痛、下痢などの症状

今回の事例の残品の「ツキヨタケ」(提供:長野県)
長野県の飯田保健所管内で、有毒きのこ「ツキヨタケ」を食べた男女8人が嘔吐、頭痛、下痢などの症状を訴え、保健所は「食中毒」と断定しました。
飯田保健所によりますと、10月15 日午後 10 時半頃、下伊那郡内の医療機関から「きのこを食べて食中毒のような症状を訴えている患者を治療中」といった旨の連絡がありました。
患者8人は30~70代の男女8人で、15 日午後2時頃から下伊那郡内の事業所でふるまわれた野生きのこ料理を食べ、午後3時頃から嘔吐、頭痛、下痢などの症状を訴えました。このうち3人が入院しましたが、すでに退院、患者8人は快方に向かっているということです。
保健所で調理前の残品を確認したところ、有毒キノコ「ツキヨタケ」の特徴と類似していて、患者を診察した医師から、食中毒の届出があったことなどから、「ツキヨタケ」を原因とする食中毒と断定しました。
患者は、「ツキヨタケ」を「ウスヒラタケ」と間違えて、煮物やクリームスープの具
にして、食べたということです。
事業所の知り合いからキノコを譲り受け、職員と関係者に料理をふるまっていました。
■症状・特徴は

資料「ツキヨタケ」(提供:長野県)
【ツキヨタケによる食中毒】(長野県による)
■特徴
・ 傘は半円形~腎臓形で長径 10~25センチ、表面は初め黄褐色で、成熟すると紫褐色~暗紫褐色
・ひだは淡黄色のちに白色
・ 柄は短く傘の側方につき、ひだのつけ根につば様の隆起帯があります
・柄の肉の内部に黒いしみがありますが、まれに無いものもあります
・夏~秋に、ブナなどの枯れ木に多数重なりあって発生します
■症状
・食後 30 分から1時間ほどで嘔吐、腹痛、頻回の下痢を起こします
■キノコ中毒防止のポイント
【キノコ中毒防止のポイント】
・わからないきのこは採らない、食べない、売らない、人にあげない。
・食べられるきのこの特徴を完全に覚える
・わかっていても、もう一度よく確認する
(毎年採って食べているきのこでも、同じ時期や場所に、類似した毒きのこが生えている場合があります。)
・誤った言い伝えや迷信を信じない
もし、きのこ中毒だと思ったら、すぐに医師の診察を受け、受診の際、原因と思われるきのこが残っている場合は、持参するよう呼びかけています。