
農家から持ち込まれた籾を乾燥・貯蔵し、脱穀して玄米にする施設
各地で販売が始まっている「新米」です。JA全農長野は今のところコメの品質は「概ね良好」としました。また、農家に仮払いする「概算金」については現時点で追加の引き上げは行わない方針です。
JA上伊那のカントリーエレベーター。農家から持ち込まれた籾を乾燥・貯蔵し、脱穀して玄米にする施設です。
9月3日に受け入れを始め、約1000軒の農家から玄米に換算して約3330トンを受け入れる計画です。
JA全農長野によりますと、9月24日までに持ち込まれた新米の品質は「一等米の割合が高く、概ね良好」としています。
JA全農長野米穀課・須田孝徳専門役:
「高温が今年の障害を発生させなかったわけではなく、(技術的)対応がされてきたため、去年ほどの被害にはなっていないのでは」
コメの価格が注目される中、JA全農長野は8月、集荷の際にJAが農家に仮払いする「概算金」を公表しました。
主力銘柄の「コシヒカリ」が60kg当たり2万8240円で、2024年より1万1950円増額するなど、全ての銘柄で2024年の約1.7倍でした。
全国のJAでは概算金を追加で引き上げる動きも広がり、新米の店頭価格も上昇するのではとの見方もあります。
ただ、JA全農長野は現時点では引き上げは行わず、当初の金額を維持する方針を明らかにしました。
県内の多くの生産者が一定程度の収入になる見込みであること。店頭価格が5キロ4000円を超えると、消費が鈍化する懸念があることを理由にあげています。
JA全農長野米穀課・池田吉隆課長:
「追加概算金を設定することで、さらに販売価格が上昇することにつきましては、消費減退や輸入米拡大につながる可能性がある。結果として生産者のためにならない可能性があることを十分考慮しました」
JA全農長野が確保した新米は順次、店頭に並ぶ予定です。