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【戦後80年】「日本は加害国でも被害国でもある」特攻で命を落とした隊員の思いを後世に 高校生が戦争や平和への思いを発表「人を攻撃することにもつながるSNSの利用にも警鐘鳴らす」

高校生の発表

特攻で命を落とした長野県内出身の隊員の思いを後世に残そうという集いが8月23日、長野県松本市で開かれました。隊員について学んだ高校生たちが戦争や平和への思いを発表しました。

松本第一高校の発表:
「人が人を傷つけるのは、絶対にあってはいけないことです」

8月23日、松本市で開かれた「わだつみのこえ80年のつどい」。特攻で命を落とした県内出身の隊員をきっかけに戦争や平和について学んだ市内の高校生がそれぞれの思いを発表しました。

安曇野市で育った上原良司(享年22)。太平洋戦争末期の1945年5月、特攻で命を落としました。出撃前日、自由主義への憧れを遺書に記していました。

(上原良司の遺書)
「権力主義・全体主義の国家は一時的に隆盛であろうとも、必ずや最後には敗れる事は明白な事実です。明日は自由主義者が一人この世から去って行きます」

松本地域の教員や高校生でつくる「わだつみのこえ80年の会」は、良司のふるさとや生家を訪れる体験学習を実施。良司がどんな思いで生き、亡くなっていったのかー。当時の背景を学びながら、考えました。

8月23日の「集い」では、学校ごとにそれぞれの学習内容を発表しました。松本第一高校は、県護国神社や松代大本営などを訪れ、日本が「加害国」であることにも着目しました。

松本第一高校の発表:
「日本は加害国でも被害国でもあります。過去の過ちと向き合い、今どうするかが最善なのか考えることが重要です」

松本深志高校は、人を攻撃することにもつながるSNSに警鐘を鳴らしました。

松本深志高校の発表:
「SNSを利用するときなど、自分と違う意見があるのは当たり前だということを頭の片隅に置いて発言してみると、少しでも平和な世界に近づくのではないでしょうか」

一方、こちらは戦時中の松本市内の写真。アプリのAIでカラー化すると―。

松本県ヶ丘高校 3年・滝沢葵さん:
「ここ知ってるところだ、と親近感を生み出しやすく」

戦時中の写真を探し、カラー化したのは松本県ヶ丘高校の滝沢葵さんです。市内の図書館で展示を行いました。

松本県ヶ丘高校 3年・滝沢葵さん:
「戦争について考えるきっかけの場をつくることができたんじゃないかなと。大学に進学して、新たな情報機材を用いて、より効果的な戦争を後世に紡ぎ続ける方法を研究していきたい」

発表を見た人は―。

元教員(95):
「自分たちの問題として受け止めていこうとする試行錯誤を見せてもらえた」

上原良司のおい・上原幸一さん:
「興味を持ってやってくださるのはありがたい」

高校生:
「戦争というのは教科書のページの一部でしかなかったんですが、身近なものなんだなと」

戦争を語り継ぐ経験者が少なくなる中、学びを深めた若い世代が、新たな形で平和の尊さを発信する役目を担います。

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