■被告人質問 盗撮のきっかけは…
妻への尋問のあとは、被告人質問が行われました。
弁護士:
「盗撮したきっかけは?」
被告:
「2019年頃に学生と行ったゼミ合宿の宿泊施設にカメラが設置されているのを見つけたことがきっかけです」
弁護士:
「振り返って、盗撮する動機は?」
被告:
「背景として、幼少の頃、B型肝炎を患い、20歳ごろに感染していることに気づきました。その頃から相手にうつらないよう、性交渉が怖くなり、行為が出来なくなりました。そのことから鬱屈とした欲があり、(2019年に)カメラを見つけたことで興味を持ち、欲に倫理観が勝てずに行為に及びました」
弁護士:
「二度としない?」
被告:
「多くのものを失いました。それでも支えてくれる人がいるので、裏切るようなことは二度としません。覚悟を持っています。このようなことは二度としません」
■検察側「卑劣かつ身勝手」と指摘
一方、検察からも尋問が行われ―
検察:
「ほかの方法で発散できなかったのですか?」
被告:
「若いころから性を発散することが難しくて、ほかに方法がありませんでした」
検察:
「盗撮した画像で欲が満たされていましたか?」
被告:
「何度も見返したりはしていませんが、盗撮したその瞬間に欲が満たされていました。その後激しい嫌悪感もあって後悔はしていました」
7日の初公判で検察側は「自身の性的欲求を満たすために行った動機や経緯が卑劣かつ身勝手である」「再犯の可能性を否定できない」などと指摘し、懲役1年10カ月を求刑。
■被告「深く深く反省しています」
一方、弁護側は「前科前歴がない」「本人と妻に謝罪弁償の意思があり、再犯しないよう妻が監督を約束している」などとし、執行猶予付きの判決を求めました。
有路被告は「被害者と家族に深くお詫び申し上げます。毎日心の中で、謝罪を繰り返してきました。信頼して関わってくれた人にも申し訳ない気持ちです。罪を償い、信頼を取り戻せるようにしていきたいです。傷つけたこと、裏切ったこと、言葉では言い尽くせない気持ちでいっぱいです。深く深く反省し、二度とこのようなことがないよう、心からお詫び申し上げます」と話しました。
裁判は即日結審され、判決は9月17日に言い渡されます。